〈えほん〉「ねことワルツを」絵・フジコ・ヘミング 文・石津ちひろ
長壁綾子 (2023年1月6日付 東京新聞朝刊)
「アン・ドゥ・トロワ アン・ドゥ・トロワ こんや わたしは ワルツをおどる」。表題の詩は、幼き日のフジコ・ヘミングが、亡き父とワルツを踊る喜びと、その後の別れがテーマだ。
この詩を含め、ネコが登場する作品を中心に計15編の詩を収録。難聴のピアニストとして知られるフジコが、温かみのある絵で作品世界を表す。画家だった父の影響で子どものころから絵も得意だったフジコ。ドキュメンタリー番組で、その絵に魅了された編集者が企画し、12年の歳月を経て生まれた美しい絵本。
2420円。福音館書店=電話03(3942)1226。