〈えほん〉「ホッキョクグマのプック」作・あずみ虫
長壁綾子 (2023年2月10日付 東京新聞朝刊)
寒い冬のある日。カナダの北極地方でホッキョクグマの赤ちゃんが生まれた。赤ちゃんは「プック」と名付けられ、お母さんの腕の中ですくすく育った。春になる頃、プックは巣穴の外へ。ワクワクしながら外に顔を出して初めて見た外の世界は、とても広くて、見たことのないものがいっぱい。プックの冒険が始まる。
アルミ板をはさみで切り、絵の具で着彩する技法で描かれた絵は、紙では出せない立体感を表す。作者は1年の半分をアラスカで暮らす。現地で出会ったホッキョクグマの親子を基にした物語から、深い愛を感じる。
1650円。童心社=電話03(5976)4181。