小2の娘がいまだに抱っこを求めます〈宮里暁美の子育て相談〉
甘やかすと甘えさせるの区別は?
甘やかすと甘えさせるをどう区別したらいいでしょう。小学2年生の娘が、いまだに抱っこを求めます。部屋の片付けや宿題のフォローもどこまで手伝えばよいのか迷います。(長女7歳、母親30代)
大切なのは、甘えたい気持ちを受け止めること
「甘やかす」と「甘えさせる」の間で迷っていらっしゃるんですね。「抱っこして」に応えることはできるけれど、わが子の将来を考えるとそれでいいのか、と考えてしまう。小学2年生ともなるとさらに迷うかもしれません。子育てって、迷いの連続ですね。ゆっくり考えてみましょう。
「甘やかす」という言葉はマイナスなイメージが強いように思います。わが子の言うことは何でも受け入れて、やりたい放題な感じのイメージです。では「甘えさせる」はどうでしょう。お子さんの気持ちに応えている状態でしょうか。親として余裕のある態度のようにも見えます。
こうして考えると2つの行為は違うものに思えますが、状態としては同じように見えてしまう。だから迷うんですよね。でも「甘やかす」も「甘えさせる」も、根っこにあるのは「甘えたい気持ちを受け止める」という親の姿勢なんです。
子どもは成長に伴って自立していきますが、その成長は行きつ戻りつのものです。時にはたっぷりと甘えたくなる、そんな気持ちを持っているのが子どもです。気持ちを十分に受け止めて、話を聞いたり、おいしいものを一緒に食べたりする。ぎゅっと抱きしめてあげてもいいですね。そんなうれしい時間を一緒にしていると、安心して自分らしく過ごし始めるように思います。大切なことは「甘えたい気持ちを受け止めること」で、お子さんが自分でできることを全てやってあげることではありません。
「部屋の片付けや宿題のフォローもどこまで手伝えばよいのか」ということですが、「手伝って!」と言ってきたら、張り切って手伝ってあげるといいと思います。お母さんやお父さんは、困ったことがあったらいつでも手伝うよ、という発信はし続けたいですね。でもお子さんが困っていないのに「あれはやったの」と世話を焼きすぎると自立が損なわれます。そこは気をつけたいところですね。(文京区立お茶の水女子大学こども園・前園長、お茶の水女子大学特任教授)
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