〈えほん〉「ゆきのゆきちゃん」作・きくちちき

(2024年1月24日付 東京新聞朝刊)

(長壁綾子撮影)

 ねこの「ゆきちゃん」は、ある冬の寒い日、外へ散歩にでかける。すると、雪が降ってくる。

 「わたし、ゆきちゃん。雪と同じ名前なの。何でか知ってる?」。ゆきちゃんは森で出会う動物たちに、聞いて回る。「ふわっとしてるから」「きれいだから」…。ゆきちゃんもみんなも、うれしくなって、うれしくなって-。

 北海道生まれの作者が、銀色のインクで、一面の雪景色を描く。しんしんと降りしきる様子が美しい。動物たちは躍動感があり、今にも動き出しそう。リズミカルな言葉も優しく、心が温かくなる一冊。

 2750円。ミシマ社=電話03(3724)5616。