〈えほん〉「ふゆのあとにははるがきます」文・石井睦美 絵・あべ弘士
長壁綾子 (2024年2月7日付 東京新聞朝刊)
「ゆきむしが飛んでる」と子どもたち。「雪の季節になるわね」とお母さん。
それから何日かたった日の夜遅く、雪が降り始めた。初めはひらひら舞うように。やがてもくもく、空から湧いてくるように。夜が明けると、町も森も真っ白に。
子どもたちは長靴を履き、色とりどりのマフラーや手袋をして学校へ。初めての雪の日はうきうきして、お行儀よくなんかしていられない。雪はやんでは降り、降ってはやんで…。
秋から冬、春へと移ろう季節と自然の営みを彩り豊かに描く。春の足跡が聞こえてくる絵本。
1650円。アリス館=電話03(5976)7011。