園庭のある認可保育所が初めて70%以下に 都内4区は10%台 保活で考えたい「保育の質」
奥野斐 (2022年10月21日付 東京新聞朝刊)
思わず二度見「こんなに少ないの?」
首都圏などの100市区を対象に、民間団体「保育園を考える親の会」(東京都豊島区)が保育園の入りやすさなどを調べた独自調査の結果を見て、驚きました。今月3日に発表された2022年度版の報告書では、園庭がある認可保育所の割合が初めて70%を切り、千代田、中央、港、文京の4区は10%台に。こんなに少ないのかと、思わず二度見しました。
自治体が「認可」する保育園でも、その環境や保育士の手厚さなどの「質」は千差万別です。園庭がなくても、近くの公園へ毎日散歩に出かけたり、室内で積極的に体を動かす機会をつくったりしている園もあります。わが子が通った保育園も園庭がなく、日々公園などに散歩に出かけてくれた保育士の先生方には頭が下がりました。
散歩の頻度や保育士の配置は千差万別
一方で「うちの子の園は全然、散歩に連れて行ってくれない」という声も取材した親から聞きました。幼い園児を安全に連れて出かけるには複数の保育士が必要です。人手不足や「外で体を動かすことをどれだけ重視するか」といった保育姿勢の違いもあり、外出が少ない園もあります。散歩中に園児を公園などに残したまま、気付かずに帰ってきてしまう「置き去り」も多発しており、都は注意を呼び掛けています。
早い自治体では来年度の入園申し込みが始まり、「保活」シーズンとなりました。園庭の有無や散歩の頻度、保育士配置などをぜひ確認してください。外観やウェブサイトの華やかさだけではなく、できるだけ見学を。「質」を大切にした園選びには、東京すくすくの「保育の質」関連記事も参考になると思います。