双子ベビーカーでバスに乗りたかった〈南家真紀子 MIRACLE TWINS〉

 双子の乳幼児の密室育児で孤独の限界でした。すがるような気持ちで調べた子育て支援施設。利用者と支援スタッフの和やかな交流の場を紹介する写真は、天国のように見えました。

 でも夏の炎天下、歩いて行くには遠すぎた。腰もすわらない2人の乳児と大きな荷物を抱えてタクシーに乗る方法もわかりませんでした。

 バスにさえ乗れれば、助けを求めに行ける。平日昼間なら座席に空きがあるし、15分だけ乗せてほしい。しかし、当時、公共交通であっても双子用ベビーカーへの対応は想定されておらず、私のそんな甘い気持ちは打ち砕かれたのでした。

 12年後の今年6月、都営バスの全路線で2人乗りベビーカーを折り畳まずに乗車できるようになりました。親子を見かけたら、全力で乗車に協力しようと思っています。

◇紙面に掲載された元の作品

南家真紀子(なんけ・まきこ)

 アニメーションアーティスト。三重県出身。武蔵野美術大学卒業後、アニメ制作会社勤務を経てフリーに。NHK・Eテレの子ども向け番組「いないいないばあっ!」のアニメコーナーなどを手掛ける。12歳の双子男児と6歳男児を子育て中。作品や活動は公式サイトで紹介している。

コメント

  • 運転手さんもどうやって乗せるかとか考えていたら険しい顔になっただけかもしれない。 直接「双子ベビーカーは乗れません」と言われたわけでもないし、お客に「あ、いいです」と言われたら運転手側は「別のバスに
    ぷりん 女性 30代 
  • この漫画を見て涙が出てきました。 上の子が2歳になったばかりの時、双子が生まれ、双子用ベビーカーに上の子と双子の一人、もう一人の双子は抱っこして移動していました。 双子用ベビーカーは横型と縦型と両
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