毒を持つ動植物の生態を学ぼう スカンクの悪臭体験コーナーも 茨城県自然博物館で9/20まで企画展

出来田敬司 (2021年7月15日付 東京新聞朝刊)

日本近海に生息するフグの標本コーナー

 毒を持つ動物や植物、キノコなどの生態を約1000点の資料で紹介する企画展「毒をもつ生きものたち ―生き残りをかけた大作戦!―」が、茨城県坂東市のミュージアムパーク 茨城県自然博物館で開かれている。9月20日まで。

ヤドクガエルは生きたまま展示

 生物が毒を持つ理由は、獲物を捕らえやすくしたり、逆に自分の身を守ったりするためだと考えられている。

 肝臓や卵巣に猛毒が含まれるフグは、細菌や他の生物の卵を食べるなどして毒素テトロドトキシンを蓄える。身の危険を察知すると皮膚から毒を放つ。本展では、日本近海に生息するフグの標本が並ぶ。

 このほか、南米の両生類ヤドクガエルを生きたまま展示した水槽や、スカンクの悪臭を疑似体験できるコーナーが設けられ、親子連れの来場者らが興味深そうに見学していた。

怖がらず「なぜ」に注目しよう

 加倉田学・主任学芸主事は「『毒を怖い』と嫌がるだけでなく、なぜ動物や植物が毒を持っているかに注目してほしい。生薬など役立つ毒についても目を向けてもらいたい」と来場を呼びかけている。

 午前9時半~午後5時。入館料は一般750円、小中学生150円など。原則月曜休館。土日祝日とお盆期間は事前予約が必要。問い合わせはミュージアムパーク 茨城県自然博物館博物館=電話0297(38)2000=で受け付けている。