てけてけ走るかわいい悪魔 タスマニアデビルが再び多摩動物公園に 3月14日から公開
昆野夏子 (2024年2月12日付 東京新聞朝刊)
多摩動物公園(日野市)は、絶滅危惧種のタスマニアデビルの雌2匹が、オーストラリアから14日に来園すると発表した。同園で飼育されていた国内唯一の個体、雄の「テイマー」は昨年10月に死んだ。国内での飼育は途絶えていたが、オーストラリアの州政府が運営する保護施設から来園が決まった。3月14日から公開する予定。
昨年、国内唯一の個体が死んだが…
多摩動物公園では2016年からタスマニアデビルを飼育してきた。テイマーが死んだ後は来園者からさみしがる声も上がっていたが、再び見学することができるようになる。2匹の来園を記念し、タスマニア島とタスマニアデビルの生態や現状についてのパネル展が、2月22日から5月28日まで開かれる。3月20日には園内でトークショーもある。
タスマニアデビルは、オーストラリアのタスマニア島に分布する。夜行性で、黒い体色と集団で餌を食べる際に発する鳴き声から、悪魔を意味する「デビル」と呼ばれるようになったとされる。寿命は6~7年と、比較的短い。
園の担当者は「タスマニアデビルはタヌキのようで、ずんぐりしていてかわいらしいのが特徴。てけてけ走ったり日なたぼっこしたりする姿が見られると思う」と話した。
ユキヒョウ「フブキ」は札幌へ
一方、同園で飼育されていた雄のユキヒョウ「フブキ」(6歳)は3月14日、繁殖目的で動物を貸し借りする「ブリーディングローン」で札幌市の円山動物園に移される。フブキの移動により、多摩動物公園で飼育しているユキヒョウは5頭になる。