野田の女児虐待死 父親に懲役18年求刑 「反省は皆無。いまだに心愛さんを虐待している」 判決は19日
検察側「心愛さんに責任押しつけ、開いた口が…」
勇一郎被告は閉廷前の最終意見陳述で「自分のしたことが許せません」と話した一方、「私が支配的立場となり、家族が逆らえないということは全くありません」などと訴えた。
公判で心愛さんへの暴行の多くを否定した被告に対し、検察側は「実質的に虐待を認めず、心愛さんに責任を押しつける態度に開いた口がふさがらない」と指摘。他の児童虐待事件と比べても「従来の量刑傾向を大幅に超える比類なき重い事案だ」と述べた。
父親側「虐待ではない」「社会的制裁は受けた」
さらに、被告が心愛さんに暴行したとする妻(33)の証言を「具体的かつ迫真的だ」と評価。被告の説明は「唐突かつ不自然で、合理的に説明できていない。反省の態度は皆無で、いまだに心愛さんを虐待している」と非難した。
弁護側は最終弁論で「日常的虐待ではない」と改めて主張した。「被告への社会的な注目や批判が多く、既に社会的制裁は受けている。心愛さんへ償いの気持ちを持ち、今後の生き方を考えようとしている」と情状酌量を求めた。
被告は2019年1月22~24日、心愛さんに食事や十分な睡眠を取らせず、浴室に立たせ続けたり、冷水シャワーを浴びせ続けたりして死亡させたとされる。他に妻への暴行など5件の罪で起訴された。
「みーちゃん、つらい思いをさせてごめんなさい」 泣きながら退廷
「みーちゃん、本当につらいを思いをさせてごめんなさい。謝っても謝りきれません」。黒いスーツ姿で出廷した勇一郎被告は裁判長から意見を求められ、持参した紙を涙声で読み上げた。
これまでの公判と同様、この日も日常的な虐待は否定し、「心愛にしたことで言い訳はありません。事実を話しました」と声を震わせた。最後に「罪としっかり向き合って一生懸命償います」などと述べた。
論告では検察官から「謝罪は空虚で反省の態度が感じられない」と厳しい言葉を浴びせられた。この間、前を見据え、表情を崩すことはなかった。
退廷する際もこれまでと同じく傍聴席に10秒近く深々と頭を下げたが、顔を赤らめ、泣きながら法廷を後にした。