誰に似たのかカッコつけの息子 その成長をかみしめる〈清水健さんの子育て日記〉43

(2022年7月22日付 東京新聞朝刊)

バッグをふたつ、思い出を詰め込んでいきたい

ガールフレンドと動画を交換

 いよいよ夏休み。息子は1日も休まずに今学期も元気に毎日、登校してくれました。考えてみたら、幼稚園の年中さんから、休んだことが1日もない。急に熱を出して病院に走ったこともない。先日、家族でも、息子の健康には本当に感謝だねって。

 元気すぎるほど元気な息子。その姿を妻と一緒に見られないのはやっぱり悔しい。でも、「今日も、汗びっしょりで学校から帰ってきたよ!」というばあちゃん(僕の母)からのLINEに、毎日、笑顔になる自分がいます。

 幼稚園から仲のいいガールフレンド(?)とは今も動画を交換。送られてきたメッセージに、なんとも言えない表情を見せる。「返信する?」って聞いたら、お風呂上がりでもうパジャマだったけど、「着替えるから待って!」。

 ソフトバンクホークスと侍ジャパンのユニホームを迷い、「やっぱり、ジャパンの方がいいかな?」と自分の一番のお気に入りの服を選ぶ。誰に似たのかカッコつけの息子。動画は3回、撮り直し。送るときも、間違った方の動画を送らないか、僕の携帯をのぞき込む。確かに、しっかりと成長しています。

朝はふたつのバッグを用意して

 シングルファーザーの先輩である、『はなちゃんのみそ汁』の著者・安武信吾さんが、最近、出版された著書で、「当時の悲しみが、やっと、すばらしい悲しみに変わってきた」と表現されていました。「すばらしい悲しみ」。正直、僕はまだそこまで心がたどりついていない。でも息子の姿をみていると、そう自信をもって言える日が、いつか僕にもやってくるように思う。

 仕事を早く切り上げられそうな日。公園で親子野球の約束をすると、僕は朝、ふたつのバッグを準備する。仕事用と野球の後の銭湯用。少しでも長く野球ができるように、僕が家にあがる時間を節約し、家の前で息子と待ち合わせをして、そのまま公園に向かう。少しでも息子が喜ぶことをしてあげたい。

 最近、今、考えても仕方がないことを考え、すごく不安になる。「ひとりじゃないです。みんながいてくれます」。講演会でそう言っているはずなのに、僕が一番にわかっているはずなのに。でも、それも全部、今の僕。そして、その僕を息子がみている。

 夏休み、「宿題は?」と、またけんかするんだろうな。今年は僕に夏休みはないけれど、ホークスの試合観戦チケットだけは全て予約済みです。 (フリーアナウンサー)

コメント

  • 清水さん、お疲れ様です。東京すくすく毎月楽しみに読んでいます。息子さん、とても成長されましたね。ガールフレンドと動画を交換している姿にパパが笑顔になる時かも知れませんね。そして息子さんの大好きなソフト
    南初子 女性 60代 
  • 毎月清水健様の子育て日記を楽しみにしています。 私も大切な家族を亡くして今、12年が過ぎました。はなちゃんのみそ汁の安武様の著者も読ませて頂きました。お2人のお気持ちに触れておられた今回の不安になる
    空 笑顔の写真 女性 50代