誰かの「当たり前」を理解することって難しいけれど〈清水健さんの子育て日記〉42

(2022年6月17日付 東京新聞朝刊)
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次は空振りしない!と気合を入れる息子

清水健さんの子育て日記

食べられない子ども 悩む親

 バッティングセンターの帰りに銭湯で汗を流しながら、今日の反省会。バットを振るマネをして、息子なりに何かをつかんだのか、「家に帰ってから公園で野球をしよう!」。今、銭湯につかっている意味があるのかな(笑)。そんな休日がうれしい。

 先日、難病患者会の交流会に参加した。医療費や学校の問題、難病指定されるかされないか。多くの患者会が、それぞれに課題をあげていく。「摂食・嚥下(えんげ)障がい児 親の会」の方にもお話を聞く機会があった。食べないのではなく、食べられない子どもたちがいる。そのことを知らず、「私の料理が悪いのかな」と悩む親がいる。知らなかったことではなく、知ろうとしてこなかった自分を反省する。

 北海道のボランティア団体「ひだまりの杜(もり)」は、薬の副作用で悩む方々に手作りのタオル帽子を送っている。親交があり、僕のインスタグラムでご紹介したところ、代表の方から「記事をみて、早速、お問い合わせが入りました」との連絡。その後に「知ってもらえてうれしい。でも、こんなに今、病と向き合っている方がいるんですね」と。

ママがいない僕たちの日常は

 「当たり前」の定義は難しい。ママがいない僕たちも普通ではないのかもしれない。多くの団体さんと話し、いつも感じることがあります。悩む時もある、苦しむ時もある。でも、自分たちは特別だとは思わず、毎日を普通に、当たり前に笑って、家族で過ごしている。理解することって難しいです。でも、多くのことを想像できる優しい社会になってほしいなと思う。

 毎月訪れる11日の月命日。いつもと同じように息子と手をあわせる。息子の中でのママ。決して薄れていくことはない。でも、成長とともに、その日が特別ではなくなる日がくるかもしれない。それは悪いことではない。だって、それが、息子にとっての日常だから。だからこそ、僕は、父親として、夫として、妻のことを無理に息子に伝えていくのではなく、息子が聞きたい時、その時その時に話していこうと思っている。

 今、隣にいたくてもいない妻が何を思っているのか、想像しても答えは出ないけれど、僕の役割は手をあわせ、今の息子のそのままの姿を伝えていくこと。銭湯で昔ながらの体重計に息子と交互にのる。また少し体重が減ってしまった僕に「ママに叱られるよ!」。そう話す、成長してくれている息子の姿に、毎日を大切にしようと改めて思う。 (フリーアナウンサー)

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  • 南初子 says:

    東京すくすく毎回読ませていただいています。清水さんも毎日仕事で忙しいですがそんな中いつも息子さんとの時間を作り野球をしている清水さんに感動します。大好きな息子さんの時間を大切にしている清水さんとても素敵です。仕事の方もいろいろ新しい仕事に挑戦して頑張っている清水さんをこれからも応援したいと思います。痩せてきたので体が心配です。たまには体を休めてくださいね。頑張れシミケンパパ🙂

    南初子 女性 60代

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