亡き妻と一緒に登った山 同じ場所で息子と〈清水健さんの子育て日記〉39

(2022年2月25日付 東京新聞朝刊)
写真

パパ行くよ!と僕を引っ張る息子

清水健さんの子育て日記

ママはしんどいって言ってた?

 途中で少し立ち止まる時があっても、お互いに「下りようか」とは言わない。標高1125メートル、大阪府南東部に位置する金剛山。親子の意地(?)なのか、会話しない時間があっても、ひたすら登り続ける。上を見たらしんどくなるね。7歳の息子なりにいろんなことを考えて一歩ずつ。

 すれ違う方に「あとどれくらいですか?」と僕が聞くと、「まだ半分ぐらいかな」。パパ、聞かない方がよかったよって(笑)。頂上付近に近づくと雪もあり、興奮して、元気を取り戻す息子。でも、ホッとした表情をしているのも僕にはわかる。しんどかったと思う。無理もしていたと思う。でも、どんな時も、こうやってふたりで「頑張ろうな!」、そう言いあえる親子でいたい。

 頂上で食べたカップ麺に「今までで一番、おいしい!」と満面の笑みを見せる息子の姿に、急に思い立った登山だったけど、登ってよかったと思う。この金剛山は実は、妻とよく登った山。「ママはどうだった?」「しんどいって言ってた?」。僕からも「この場所で写真を撮ったんだよ!」なんて、その時の思い出をたくさん話せたのは、大きな大きな親子としての成長。

寂しさを追いかけるのではなく

 2022年2月11日、7回目の命日。今年は特に心が揺れました。その理由は自分でもよくわからないけど、毎年、やってくる日がある。乗り越えるわけではなく、息子と一緒に、これからも手をあわせていきます。

 誰よりも息子を愛した妻。その姿は今、隣になくても、同じ場所で、同じポーズで撮った写真が少しずつ増えていく。それを見て家族も喜んでくれる。寂しさを追いかけるのではなく、たとえ、写真であったとしても、3人でいるかのような場所を増やしていければなと思う。

 「あともうちょっとだよ!」と僕に声をかけ、勢いよく登り出す息子。その後ろ姿にたくましさと、少しだけ、3人ではない切なさも感じてしまったけど、改めて親としての責任を強く意識しました。息子には想像しかできない。でも、息子とママの話ができる、こんなにうれしいことはありません。日に日に心も成長していく息子にパパが引っ張られています。

 登山の翌日ではなく、僕は2日後に筋肉痛。でも、こうやって一緒に走り回ることができる今に、周りにいてくれるみんなに感謝です。思い出を積み重ね、毎日の妻への報告を増やしていきたい。(フリーアナウンサー)

21

なるほど!

432

グッときた

10

もやもや...

70

もっと
知りたい

すくすくボイス

  • かがじじい says:

    今日 何気なく清健さんのことふと思ったんです。元気に息子さんと過ごして要るのが分かってほっとしました😃

    かがじじい 男性 70代以上
  • さあ says:

    ほんとに仲の良い優しい奥さんだったのが、手に取るように伺えます!
    清水さんが息子さんが寂しくないように子育てされて素敵ですね!
    応援しています!

    さあ 女性 無回答
  • きこ says:

    懐かしい名前です。ふとどうしてるのかなぁと思い出し以前買った本を取り出しては読んでます。息子さんももう7歳になったのですね。素直で優しそうな息子さん清水さんの愛情一杯に育てられてる事に感心します。田舎で遠いけど死ぬまでに1度清水さんの講演に参加致したいです、何時までも元気で奥様の分まで長生きして下さいね。息子さんも大人になる姿を私も遠くでみたいです。

    きこ 女性 70代以上
  • ばあちゃん says:

    清水さん元気そうで良かった良かった!
    以前公演も聞かせていただきました。
    これからもゆっくりゆっくり子育てして下さいね

    ばあちゃん 女性 60代
  • バラ says:

    ファザーシングルとして頑張っておられる清水さんのツイッターに感動しました。
    お子様は清水さんの又お近くで見守っていらっしゃる方々に感謝して成長なさることでしょう。
    困っているときには遠慮なく相談してください。
    なぜならお子様は皆のお子様ですから。
    ご自愛くださいませ。

    バラ 女性 60代
  • やまちゃん says:

    私は、子供が大好きで、保育園にも勤めていましたが、いまだに独身です。お子さんが小さいのに、お母様がお亡くなりになっと、ニュースなど見ると育ててあげたいと言う気持ちになってしまいます。清水さんとお子さんのお話しを読んでいますと涙が止まりません。どうか優しい良い子に育てて下さい。私は山が友達です。

    やまちゃん 女性 60代
  • みゆ says:

    清水さん、またアナウンサーとして、テレビに戻ってきてほしいです。
    今でも、清水さんの顔、声、鮮明に覚えています。
    一緒に、泣いたり、笑ったり、そんな時間を共有できたら嬉しいです。

    みゆ 女性 50代
  • バレー姫 says:

    私は、高2娘がいます。母親です。同じ子供がいます、親としてこれからも、何事にもくじけず、頑張って下さいね。

    バレー姫 女性 50代
  • 婆さま says:

    子どもって親が思うより逞しいです。きっと貴方が本当に辛い時大きな力になり支えになると思います。

    婆さま 女性 60代
  • あんこ says:

    娘の子と変わらぬ時期に誕生したので勝手に孫のように感じます。父親から虐待を受け、孫は精神的に大変な時期もあり、今も小学校でも、人ととの付き合いにトラブルもあります。清水さんの子どもに対する思い頭がさがります。すくすく育つ息子さん応援します。

    あんこ 女性 60代
  • 不知火小僧 says:

    以前清水さんは本当に寝て居るのだろうか?と思うぐらい皆さんにメールを返して呉れて居ました。体を壊すよなと思い私はメールを送るのを辞めました。

    ある時、講演会の度にお子さんを親御さんやスタッフさんに預ける事を悩んで居られて、一緒に連れて行って色んな事を経験するのも勉強では無いでしょうか?と無責任な事を言った気がします。

    此れからも健康に留意して講演会頑張ってください。

    不知火小僧 男性 60代
  • 照喜名好美 says:

    金剛登山懐かしいです。小学校の高学年から中学生と高校生と耐寒遠足に何度も登りました。息子さんも段々と成長され奈緒さんとの思い出の金剛山に一緒に登れて良かったですね。きっと奈緒さんも一緒だったでしょうね

    照喜名好美 女性 50代
  • 南初子 says:

    私は清水さんの大ファンです。
    今回奈緒さんとの思い出の金剛山に息子さんと登り頂上に辿り着いたのを見て涙が出てきました。本当にやさしい息子さんだと思います。清水さん幸せだと思います。奈緒さんもいつも2人を見守っていると思います。これからもいろいろあると思いますが清水さん頑張ってくださいね。いつも応援しています🍀

    南初子 女性 60代
  • グレープフルーツ says:

    息子さんが3歳頃、講演聴かせていただきました。
    余りにも短い親子の時間に涙が止まりませんでした。
    そして清水さんも余り無理しないでね。と心の中で呟いていました。

    金剛山に登られた日記で息子さんの成長拝見し安心致しました。

    私達夫婦も孫が1年生の時、雪の金剛登山をし、下山の道間違えて大変な思いをしたこと思い出しました。

    パパと二人で登った金剛山は一生の宝物です。
    くれぐれも清水さん、御身体大切に
    頑張りすぎないように。

    大切なパパですから。

    グレープフルーツ 女性 60代

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