息子とふたりで川遊び 僕にもプライドがある〈清水健さんの子育て日記〉44
魚を捕まえる姿を見せたいのに…
潜って魚を捕まえる! ふたりで張り切った真夏の川遊び。ゴーグルに網に、準備は万端。でも、思った以上に川の水が冷たい。それが川のいいところなんだけど、息子はその冷たさに、何度か入ろうと挑戦するも「僕は、捕まえたお魚の部屋をつくっておくね」と、川辺で石を積み上げている。切り替えが早い…。
となれば、捕まえてくるのは僕である。透明感ある冷たい水に何度も潜る。「いた!」。ソッと魚に網を近づけるもスッと逃げていく。正直、僕はこういったことがあまり得意ではない。息子が川辺で「お魚いる?」と期待を込めた声で聞いてくる。捕まえなくては。でも、失敗が続く。
その姿を見かねてか、近くで遊んでいた地元の男性が「網を魚の後ろに入れて、魚の前で足を踏むと、バックして網に入るから!」とアドバイスをくれた。横には捕まえてもらった魚を見て満足そうな娘さんの姿。僕にもプライドがある。息子に「パパ、やるな!」という姿を見せたい。
網を魚の後ろに、そして、足を踏む。「入った!」。息子は、川辺にいるので、僕ひとりで興奮。早く見せたい! 網を大事に抱え、息子のもとへ。「すごい!」。でも、もっと大きなお魚を想像していたのだろう、すごい!のテンションでわかった(笑)。
学校の先生へのオンライン講演で
8月は、学校の先生への講演会も多くありました。がん教育を進めるにあたって、また、病気の家族やシングル家庭など、多様な子どもたちがいる中で教師として何ができるのか。決して一つの正解はないテーマ。でも、みんなが一緒になって考え思う。
ある配信での講演会では、最後に参加者がお顔を見せてくれました。パソコン画面上に、それぞれの環境で参加してくれている先生の姿が映し出される。お一人の方も、家で、お子さんを抱っこした方も。そう、先生にも先生の生活がある。そんな当たり前のことに改めて気付かされた、僕にとっても貴重な時間。
親も大変だった夏休みがあけます。宿題は夏休みの前半に全てやりきり、図画は大きなヒマワリを描いた息子。僕は例年に比べ忙しかったけれど、いけばなの花展にも出瓶できた。何げなく使った3本のヒマワリに「ご家族ですね!」と声をかけていただき、今の自分の心持ちに気付く。
一度も3人で一緒には過ごせなかった夏だけど、もし隣にいたら、日焼けが苦手だった妻は、川遊び、どこで何をしていたんだろうか。(フリーアナウンサー)
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