息子とふたりで川遊び 僕にもプライドがある〈清水健さんの子育て日記〉44

(2022年8月26日付 東京新聞朝刊)
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ふたりでゆっくり、景色の中で

清水健さんの子育て日記

魚を捕まえる姿を見せたいのに…

 潜って魚を捕まえる! ふたりで張り切った真夏の川遊び。ゴーグルに網に、準備は万端。でも、思った以上に川の水が冷たい。それが川のいいところなんだけど、息子はその冷たさに、何度か入ろうと挑戦するも「僕は、捕まえたお魚の部屋をつくっておくね」と、川辺で石を積み上げている。切り替えが早い…。

 となれば、捕まえてくるのは僕である。透明感ある冷たい水に何度も潜る。「いた!」。ソッと魚に網を近づけるもスッと逃げていく。正直、僕はこういったことがあまり得意ではない。息子が川辺で「お魚いる?」と期待を込めた声で聞いてくる。捕まえなくては。でも、失敗が続く。

 その姿を見かねてか、近くで遊んでいた地元の男性が「網を魚の後ろに入れて、魚の前で足を踏むと、バックして網に入るから!」とアドバイスをくれた。横には捕まえてもらった魚を見て満足そうな娘さんの姿。僕にもプライドがある。息子に「パパ、やるな!」という姿を見せたい。

 網を魚の後ろに、そして、足を踏む。「入った!」。息子は、川辺にいるので、僕ひとりで興奮。早く見せたい! 網を大事に抱え、息子のもとへ。「すごい!」。でも、もっと大きなお魚を想像していたのだろう、すごい!のテンションでわかった(笑)。

学校の先生へのオンライン講演で

 8月は、学校の先生への講演会も多くありました。がん教育を進めるにあたって、また、病気の家族やシングル家庭など、多様な子どもたちがいる中で教師として何ができるのか。決して一つの正解はないテーマ。でも、みんなが一緒になって考え思う。

 ある配信での講演会では、最後に参加者がお顔を見せてくれました。パソコン画面上に、それぞれの環境で参加してくれている先生の姿が映し出される。お一人の方も、家で、お子さんを抱っこした方も。そう、先生にも先生の生活がある。そんな当たり前のことに改めて気付かされた、僕にとっても貴重な時間。

 親も大変だった夏休みがあけます。宿題は夏休みの前半に全てやりきり、図画は大きなヒマワリを描いた息子。僕は例年に比べ忙しかったけれど、いけばなの花展にも出瓶できた。何げなく使った3本のヒマワリに「ご家族ですね!」と声をかけていただき、今の自分の心持ちに気付く。

 一度も3人で一緒には過ごせなかった夏だけど、もし隣にいたら、日焼けが苦手だった妻は、川遊び、どこで何をしていたんだろうか。(フリーアナウンサー)

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  • 南初子 says:

    清水さん、お疲れ様です。東京すくすく毎回楽しみにしています。息子さんと川で遊んでいる姿にとても癒やさます。息子さんの前でかっこいい姿を見せようとしている清水さんかっこいいです。息子さんもとても素敵な夏休みになりましたね😄
    講演会でも自分の思いを伝え皆さんも本当に感謝されていると思います。これからも体に気をつけて頑張ってくださいね。いつも応援しています。

    南初子 女性 60代

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