大好きな柳田選手に会いたい…親子ふたり旅〈清水健さんの子育て日記〉48
全身「ギータ」で大阪から大分へ
親子ふたり旅。最高の笑顔を見ることができました。
大好きなソフトバンクホークスのギータこと柳田悠岐選手の自主トレを見に、大阪から大分県まで。出発は午前5時半。僕が起きた時には息子はすでに、ギータのユニホーム、ギータのバッジがついた帽子、ハンカチ、サコッシュ、マスクもギータ。全身を「好き」で包み、準備は万全。
大分空港からはレンタカー。どんな表情を見せるんだろう。ハンドルを握りながら想像し、親であることのうれしさをかみしめる。昨季、何度も球場でメガホンをたたき、活躍を願ってグラウンドを見つめていた息子。その大好きな選手が、いつもより近くで見られるかもしれない。
僕もキャンプ取材には行ったことがあるけれど、自主トレは初めてなので、「近くで会えるよ!」というような過度な期待はもたせずにいた。
着いた! すでに多くのファンが待っている。勝手が違うレンタカーの鍵に少してこずる僕に「落ち着いて!」と息子。ふたりで走る。
いた! いつも京セラドームで見ている柳田選手が、バットを振る時の声もはっきりと、そして、話し声も聞こえる距離。室内練習場の見学は、先に到着したファンがグルッと囲っていて、見られる場所が限られる。隙間を探して息子を肩車。久しぶりかもしれない。重くなった。
先輩パパが言う「寂しさ」の意味
シングルファーザーの先輩である、「はなちゃんのみそ汁」の著者、安武信吾さん。娘さんが20歳を迎えた。「ダメです。たまらなく寂しいです」とのLINEが届く。まだまだ続く子育て、離れていくわけではない。それでも、あふれてくるであろう、いろんな感情。僕はまだ、今に必死で、息子の20歳は想像できないけれど、時間に追われ、子育てに追われ、仕事にも追われ、それでも、一番に、家族とのことを思い走り続けてきた。「寂しさ」、その言葉の意味することがわかりすぎて切なくなる。
大阪に戻り、興奮しながらも、僕の膝に、まだまだ小さい頭をのせて、すぐに眠ってしまった息子を見て思う。この子のためなら何でも頑張れる。頑張らないといけない。
「絶対に寂しい思いはさせないから」。そう妻と約束した言葉を思い出しながら、なぜか涙があふれた。これでいい、こんなんでいい。息子の満足した寝顔から感じる幸せと、妻と喜びあえない寂しさ。でも、きっと妻もこの寝顔を見て喜んでくれていると思う。(フリーアナウンサー)
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