質問も進路相談もOK! 早大生や理科大生らがオンライン「休校塾」 自宅学習の子どもをサポート
小形佳奈 (2020年4月25日付 東京新聞朝刊に一部加筆)
新型コロナウイルス対策の休校で自宅学習をしている全国の小中高生の質問に、大学生がオンラインで答える無料の「休校塾」が開設された。早稲田大法学部4年上羽友香さん(21)=東京都青梅市=は「学校の先生より年齢的に近い存在として気軽に質問、相談してほしい」と呼び掛ける。
塾のバイトで生徒が「自宅学習では質問できない」
大学も休校が続き、外出できず、時間だけはある。上羽さんは、東京理科大で数学を専攻する中学時代の同級生(21)に誘われ、2人で動きだした。同級生は塾講師のアルバイトをしており「春期講習で久しぶりに会った小中学生から『自宅学習では質問ができない』と聞き、オンラインでの支援をすることにした」と話す。「私も小中高とたくさんの方に支援して頂いたので、少しでも恩返しができたら」
知り合いの学生に声をかけるなどして12人の講師を確保した。会員制交流サイト(SNS)で質問や相談を受けており、数学の解答では解説した写真を送付した。「入学したばかりで世界史の勉強の仕方が分からない」と質問して来た高校生には、講師が自分の高校時代のノートをデータで送り、メッセージをやりとりした。
「言語聴覚士になりたい」 進路相談には本職紹介
大学受験生から志望校選びなどの進路相談も寄せられ、「言語聴覚士になりたいが、どうしたらいいか」という質問には、友人のつてをたどって言語聴覚士を紹介したという。上羽さんは、「始めてみると、予想以上に周囲の大学生からの反応が大きかった。不安定な社会状況の中、大学生自身が、誰かの助けになれる、自分が社会に価値を生み出せる経験ができる場になるのでは」と感じているという。