未来に向かって歩こう 難病の子たちに自分がデザインした靴をプレゼント 医療機器会社が企画
志村彰太 (2020年12月5日付 東京新聞朝刊)
医療機器や診断薬の製造・販売会社「ロシュ・ダイアグノスティックス」(東京都港区)は、横浜市内の難病治療中の子どもたちに、子どもが自らデザインした靴を贈った。同社はこの取り組みを通じて、NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト(横浜市中区)に、子どもホスピス(緩和ケア施設)建設費用の一部を寄付した。
外に出掛けることを思いながら
「自分がデザインした靴をはいて、外に出掛ける思いを描きながら治療に取り組んでほしい」と企画した。横浜市立大付属病院の院内学級(金沢区)と市立浦舟特別支援学校(南区)に通う35人の児童生徒が参加。本来は春に実施予定だったが、新型コロナウイルスの影響で、9月にオンラインで学級と同社をつないで開催した。
子どもたちは8パターンの塗り絵から好みの物を選んで色を塗り、同社が靴に仕上げて11月に子どもたちにプレゼントした。同社は取り組みの様子を特設サイトで公開し、アクセス数などに応じて同NPOに寄付した(寄付額は非公表)。
子どもホスピス 年内に着工へ
横浜こどもホスピスプロジェクトは金沢区の市有地に、年内にも子どもホスピスを着工予定。11月には横浜銀行から1000万円が寄付され、必要額まであと2000万円の総額3億2000万円に達した。
田川尚登代表理事は「入院中の子どもたちを楽しませながら、寄付に結び付けてくれた。NPOの活動を広く知ってもらうことにもつながり、ありがたい」と話した。