〈23区の新年度予算案から〉杉並区 コロナ禍の子ども虐待防止 見守りながらの食材提供に972万円

西川正志 (2021年2月1日付 東京新聞朝刊)
 コロナの感染拡大で、地域の子どもを見守る機会が減っていることを受け、東京都杉並区は新年度、虐待のおそれがある家庭を訪問する際、米や野菜などの食材を定期的に提供することで保護者との信頼関係をつくり、継続的に見守っていく。

新年度予算案について説明する田中良区長=杉並区役所で

月1回定期的な見守り

 食材提供は月1回程度を想定し、約972万円を計上した。田中良区長は「食材提供という実際の支援とセットで訪問することで定期的な見守りにつなげたい」と話した。

 杉並区によると、コロナの影響で小学校や幼稚園など関係機関からの虐待通報件数が減る中、対策に乗り出した。

テークアウト開始の中小企業に補助

 また、コロナ禍で売り上げが減少した中小企業を対象に、テークアウトなどの新サービスを始めるための経費の補助する。補助の上限は対象経費の3分の2、または50万円で、4740万円を盛り込んだ。

 コロナ禍の影響で、特別区税、特別区財政交付金はそれぞれ36億、20億円の減少を見込む。

 財政調整基金を72億5000万円取り崩すなどして、税収減に対応する。