ひきこもりを「こもりびと」と呼んで支援します 大和市が条例制定へ 孤立しないよう市民も協力
古川雅和 (2022年8月25日付 東京新聞朝刊)
神奈川県大和市は24日、ひきこもりの子どもや大人、その家族が地域に関わっていくために、市や市民が理解して支えることを定めた「こもりびと支援条例」を制定すると発表した。30日に開会する9月定例議会に条例案を出し、可決後の同月末にも施行する。大和市によると、大人も対象とする条例は、今年3月に施行した埼玉県に次いで2例目。
「より温かみのある呼称」に
大和市の条例案は、ひきこもりを、学校や仕事など社会的な参加を避けて6カ月以上、家にとどまっている状況と定義した。その上で、ひきこもりではなく「より温かみのある呼称」(健康福祉総務課)にするために「こもりびと」とした。市だけではなく市民も、ひきこもりの当事者と家族が社会で孤立しないように理解を深め、支援することなどを明記した。具体的な行動計画は盛り込まず、理念的な内容になっている。
条例施行後、市や関係機関などは支援体制を整備するため、相談担当者の研修などを進める予定。
大和市では、内閣府の調査を基に市内に約2300人のひきこもりがいると推計している。若年層のひきこもり相談は教育委員会が対応。2019年10月には幅広い年齢層に対応する「こもりびと支援窓口」も設置し、今年7月末までに1482件の相談に応じている。