【虐待防止月間】虐待のない社会のために歩こう 歩数が寄付につながる「ORANGE WALK」11月30日まで
目指すものは同じ 団体をつなぐために
「ORANGE WALK 2023」を主宰するのは、里親支援を通じて虐待防止を願うNPO法人「日本こども支援協会」(大阪市)です。岩朝しのぶ代表理事は、「1つの団体だけで課題解決はできません。虐待防止といっても、地域の親子数組を見守る小さな活動から、子どもの福祉に関する政策提言を行う活動まで幅広い活動があります。虐待をなくすという同じゴールを目指す団体が手を取り合える仕組みが必要です」と話します。
小規模な団体は、有益な活動をしていても、マンパワーと資金力不足に陥りがちです。歩くだけという気軽さで、支援団体の存在を知ってもらい、寄付にもつなげていこうというこの試み。昨年に続き、2回目の開催です。
万歩計のアプリをDL どこからでも参加
参加方法は簡単です。万歩計機能のついたイベント専用アプリ「minpo」か「Green Ponta Action」を無料でダウンロード。このイベントに登録する全国13の団体の中から、応援したい活動を一つ選びます。あとはどこを歩いてもOKです。
活動内容は、児童養護施設など社会的養護下で育つ子どもの現状を知ってもらおうと情報発信に取り組む一般社団法人「たすけあい」(さいたま市)や、ひとり親や親自身が虐待を受けて育ったことなどから子育てに不安を抱える家庭を訪問して、育児や家事支援に取り組む特定非営利活動法人「バディチーム」(東京都新宿区)など多岐にわたります。参加者が期間中に歩いた歩数に応じて、イベントスポンサーの寄付(600万円)から各団体への分配が決まる仕組みです。
「オレンジリボン」もっと知ってほしい
イベント名「ORANGE WALK」は、子ども虐待のない社会を呼びかける「オレンジリボン」から来ていますが、岩朝さんは「虐待防止のシンボルカラーがオレンジだということすらほとんど知られていないんです」と周知活動の必要性を感じています。
今年8月に約1万5000人を対象にしたインターネット調査では、オレンジリボンの「運動の目的を知っている」と回答した人は3.8%で、乳がんの早期発見を呼びかけるピンクリボンの32.3%と大きな隔たりがありました。
岩朝さんは「これでは虐待のニュースを見ても人ごとですよね。1人でも多くの子どもの命を守るために、私たちの活動を知ってもらい、気軽にアクションできることを広めていきたい」と話しています。