児童手当は拡充、扶養控除は縮小…家計の収入はどれくらい増える? 損する年収帯はある? 2024年10月からの影響を解説
損はしないが、増える金額は所得で変わる
「結論から言えば、従来と比べて損をする子育て家庭はありません。どの年収帯もトータルでプラスになる設計なので、そこは安心できそうです」と、ファイナンシャルプランナーの八木陽子さん。
大綱によると、扶養控除は所得税で38万円から25万円に、住民税は33万円から12万円に縮小。児童手当の拡充と扶養控除の見直しを差し引きで考えると、児童手当の年12万円の恩恵を丸々得られるのは非課税世帯のみ。控除は高所得世帯に有利に働くため、所得が多いほど恩恵は薄まります。
たとえば夫婦どちらかが働いて高校生の子どもが1人いる年収558万円以上752万円未満の家庭の場合、現状と比べて増えるのは8万6000円。「損はしないけれども、所得によって差し引きで受けられる恩恵は違ってきます」
最も恩恵が少ない年収4410万円以上の家庭でも差し引き3万9000円増えます。各家庭で差し引きで増える金額を確認しておきましょう。
扶養控除とは
養っている親族の人数に応じて所得金額から一定額を差し引き、所得税と住民税の負担を軽くする仕組み。民主党政権時代に子ども手当を創設する一方で、15歳以下の扶養控除を廃止した経緯がある。
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監修・八木陽子
東京都在住。1男1女の母。出版社勤務をへて独立。2001年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、マネー記事の執筆やプロデュース、セミナーなどの仕事をする。2005年、親子でお金と仕事を学ぶ団体キッズ・マネー・ステーションを設立。2008年、家計やキャリアに関する相談業務を行う株式会社イー・カンパニーを設立した。著書に「6歳からのお金入門」(ダイヤモンド社)、「10歳から知っておきたいお金の心得」(えほんの杜)など。
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