夫婦で育児をすると「もう1人」につながる
小林由比 (2018年6月21日付 東京新聞朝刊)
夫婦が助け合って育児をしている家庭は、さらなる出産の意向が高くなる-。東京大大学院の発達保育実践政策学センターなどが20日発表した調査で、こんな傾向が浮かび上がった。
東大大学院などが調査
発達保育実践政策学センターとベネッセ教育総合研究所が共同で昨年9~10月に実施。6カ月から1歳5カ月の子どもがいる家庭を対象に、母親2975人と父親2624人に調査した。
これから子どもを持つ予定を「あと一人以上」と答えたのは母親が45.5%、父親が46.5%。このうち、夫婦双方が「子育てや家事を助け合っている」と感じているカップルの母親が48.7%で、夫婦ともに「助け合っていない」としたカップルの母親は41.3%で、7ポイント以上の差があった。
助け合いは職場にも影響
平日の父親の育児時間が1時間以上と回答したのは「夫婦で助け合っている」家庭では61.8%だったが、そうでない家庭は28.3%だった。
また、助け合いができている夫婦は、父親の職場環境について「定時で帰りやすい雰囲気がある」(46.3%)「部下が子育てに時間を割くことに上司は理解がある」(66.6%)と回答。そうでないグループよりそれぞれ20ポイント以上高かった。
ベネッセ教育総合研究所の真田美恵子主任研究員は「有意な差がみられた。子どもが欲しい希望を実現するためには、夫婦を中心に、利用しやすい地域の子育てサポートの充実など『チーム育児』の推進が重要」と指摘した。