杉浦太陽さん×産後クライシス(3)すれ違う心 勇気を出して僕から「つき合ってる頃みたいに仲良くしたい」

写真 杉浦太陽さん「勇気を出して…僕から言った」

Q3.二人目、三人目はほしいけど夫を遠ざけてしまう

◇子どもの誕生後に夫婦仲が急速に悪化する「産後クライシス」について、4児の父であるタレント・杉浦太陽さん(40)と考えます。岩手県の「まりりん」さん、1歳の男の子を育てる20代後半のお母さんからの質問です。

仕事から疲れて帰ってくる夫に「お風呂入れて~」と頼んでも浮かない顔をされ、上手に育児分担ができません。私自身は1人目で手いっぱいで、今後2人目、3人目と思うと気が滅入ります。一人っ子にはさせたくないという思いはあるのですが、夜も夫婦生活をするヒマがあるくらいなら寝たいと思うことが多く、子どもを挟んで川の字に寝るようにして、遠回しに夫を遠ざけてしまっています。

杉浦さんご夫婦にもそういう時期はありましたか? あったのであれば、どのように乗り越えましたか?

「うちの妻、1人でやれてるな」は黄信号

杉浦太陽さん そういう時期、ありましたね~。4人子どもがいますけど、やっぱり1人目は手探り状態で、一番大変だった。

 子どもが1人だと、親1人でも面倒を見られちゃうんですよね。2人とも初めての子育てだから、本当は2人でやればいいんだけれど。妻が1人で頑張ってしまうと、ダンナさんはゆっくりする時間を作っちゃうんです。「うちの妻、1人でやれてるから大丈夫だな。俺は遊ぼう」となってしまう。そこをちゃんと話し合わなきゃいけない。

 うちは2人目・3人目はすごく大きなケンカを乗り越えて授かりました。ケンカの大きな原因は、お互いの心の認識不足でした。

今川 1人目の時は、杉浦さんは辻さんにお任せだった、ということでしょうか。

杉浦さん 妻が産休・育休中だったこともあり、僕はとにかく仕事をめっちゃやらなきゃ、と思っていました。

写真 夫婦関係について話す杉浦太陽さん

今川 子ども生まれたし、っていうのもありますよね。

杉浦さん そう、仕事頑張ろう!と思って、たくさん仕事を入れてたんです。でも、家で待ってる側は、昔、仕事で紅白(歌合戦)に出たこともあるアイドルだったから、やっぱり家にずっといるストレスもあったんですよ。そういう面でも、妻が「(僕は)仕事ばっかり行って、私は育児ばっかりで」と悩んでいた時期があった。

子どもをクッション代わりに…「逃げた」

杉浦さん 僕は家でも台本を読んだりしていたんですけど、妻に「家庭に仕事を持ち込んでほしくない」と言われて、「台本覚えるのは車の中とお風呂」と決めました。妻のストレスが少しでも抜けるようにしようと考えてのことです。

 一番効いたのは、「仲良くしたい」。これ、結構勇気がいるんですけど、「付き合ってる時みたいに、いちゃいちゃ、仲良く、したいです。どう思ってますか?」って聞く。

今川 勇気がいると思います。

杉浦さん お互い子どもがいた方が会話もできてるし、川の字で寝るっていうのもそうですけど、子どもをクッション代わりに、心の逃げどころにしちゃってますよね。子どもは子どもで大事だけど、それをあえて飛び越えて、俺は子どもが寝てたら子どもをよけて、妻の隣に行って腕枕する。

今川 そうですか…。

杉浦さん 初めはちょっと逃げられるんですけど、ちゃんと話し合って、「こういうふうにして寝たいんや」って言う。

写真 杉浦太陽さん(右)と話す今川綾音記者(左)と谷岡聖史記者

今川 それを言ってくれた辻さんすごい、って思います。

杉浦さん 俺が言ったんですよ。

今川 え?…すみません、杉浦さんが?

杉浦さん 僕が言ったんです。

妻が「実は私も昔みたいに仲良くしたい」

谷岡 どうして、言おうって思えたんですか? 本当に勇気がいるなって。

杉浦さん めっちゃ勇気いります。「向こうからアプローチしてきたのに、こっちから追いかけるのもなんかな~」と思ったんですけど。やっぱり家に帰って、子どもを介してしか会話してないし、ずっと見えないパーテーションがある感じがすごく嫌で、取っ払おうと思って。

 「ぶっちゃけ話したいねんけど、昔みたいにくっついたりとか、ハグしたりとか、したいんだけど、どう思ってる?」って聞いたら、「子育てに精いっぱいで、どう接していいか分からない」って言われた。

 「じゃあ、とりあえず、ちょっとずつでもスキンシップ取っていこうよ」と。お互い心の距離ができている。その壁を壊したくて、少しずつ歩み寄って、誕生日にサプライズしたり、デートの企画をしたり、時には自分たちの親に子どもを頼んで2人でデートに行ったり。そういうことを積み重ねて、彼女の心をもう1回こっちに向ける努力をめっちゃしました。

写真 夫婦関係について話す杉浦太陽さん

 そうしたら、「実は私も昔みたいにいちゃいちゃ仲良くしたいし。けど、どうしていいか分からなかった」と言われて。「でも、そう向き合ってくれるなら、私も努力する」と。それから、2人とも変な心の壁がポーンって取れて、むっちゃ仲良くなりました。

谷岡 ふぅ~~~ん…。

今川 谷岡さん、それ、妻に言えます?

谷岡 いやぁ、どうですかねぇ。

話さないと伝わらない 大事なのは勇気

杉浦さん もうず~っと、家でそういうことを考えては、「あ、今じゃないなあ」と。ずっともやもやしてた時期がありました。

今川 私、そのもやもや、10年間続けてしまったんです。うちも杉浦家と同じで、寝るときに子どもが絶対いるんですよ。下の子2人が、私が一緒に寝るときは私の両脇を、夫が一緒に寝るときは夫の横をがっちり固めていて、隣に行く場所はない。だから、よいしょってどけて。

杉浦さん よいしょってどけますよ。「はい、俺のすきま作って」って。

今川 すごい。

杉浦さん 大事なのは勇気です。

写真 夫婦関係について話す杉浦太陽さん

谷岡 う~~ん。

今川 杉浦さんみたいに、夫が勇気を出してもいいし、妻が勇気を出してもいいんですね。

杉浦さん ちゃんと話さないと伝わらないし、空気感だけでギスったっていうのが僕は嫌だった。嫌なら伝えようと思いました。

今川 セックスレスになっていく夫婦もすごく多い。でも、1対1の2人だったときは仲が良かったのだから、本当は子どもが生まれてもその状態を維持できるといいと思います。ただ、どうにもこうにも育児で手いっぱいの時はしょうがない。そこを少し越えたときに、杉浦さんご夫婦のように歩み寄れたらいいですね。

杉浦さん そうですね。0歳児がほんと一番手も掛かるし大変なんですけど、1歳になって歩き始めたり会話が分かるようになってきたら、ちょっと余裕も出てくるので。

「トリセツ」を読みきったら、心が楽に

今川 杉浦さんが辻さんに、そうやって「仲良くしたい」と伝えたのは、1人目のお子さんが何歳ごろだったんですか?

杉浦さん ええとね、1番上と2番目が3つ差だから…妊娠期間入れると上の子が2歳の時かな。

今川 すごくいろいろ考えてしまいます。うちは10年たって、去年ようやく乗り越えられたので、今はよかったなあと思いますけど、長かった~って。

谷岡 勇気を出す…。

杉浦さん 乗り越えたら、仲良くなり方が本当によく分かるようになる。トリセツじゃないですけど、読みきったら相手に対する接し方が分かる。心が楽になりますよ。

写真 夫婦関係について話す杉浦太陽さん

今川 谷岡さんのところはどうですか?

谷岡 ま、仲はいい方ですけど、でもやっぱり、この質問をしたまりりんさんもそうだと思うんですけど、子どもが欲しくてできたはずなのに、実際育ててみると大変だし、疲れるしで、不安は大きくなりますね。これで2人目が生まれたらどうなるんだろうって。

杉浦さん ダンナさんと好きで結婚して、子どもも授かって幸せな未来を作るはずが、こんなはずじゃない、っていう悩み・不安がついてくる。子どもから得られる幸せもたくさんありますけど、子どもが生まれると今まで通りにはいかない。自分たちの自由を奪われること、大変なことも多いので、助けてくれるパートナーとともに歩んでいくために、お互い気持ちを伝える勇気が必要だと思いますね。

写真 東京すくすくオンライン講座 杉浦太陽さんに聞く 夫婦の危機の乗り越え方 全9回

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