高校生が企画「スウェーデンのパパたち」写真展 父親の育児が当たり前の社会に 11月3日に聖学院中高で

野呂法夫 (2022年10月30日付 東京新聞朝刊)

(左から)ヨハン・フルトクイスト1等書記官を表敬した大野興毅さん、石塚一喜さん=港区のスウェーデン大使館で

 スウェーデンで育児休暇を半年以上取って子育てに励む男性の姿を撮影した写真展「スウェーデンのパパたち」が11月3日、東京都北区の聖学院中学・高校の創立記念祭で開かれる。企画した高校生は「父親も一緒に子育てや家事をする社会を考えるきっかけを共有したい」と話す。

父母それぞれ90日、さらに300日

 スウェーデンでは両親合わせて480日間(16カ月)の育児休暇を取得できる。父と母はそれぞれ90日間を取り、残り300日はどちらかが選べる。その間、保険から給料を補償する先進的な取り組みだ。

 写真家ヨハン・ベーブマンさんが男女平等の育児を願って父親たちをカメラに収めた。その25人の写真は2017年から各地を巡回して展示されている。

展示作品の一つ、眠る赤ちゃんを抱いて幸せそうな表情を浮かべるパパ=ヨハン・べーブマンさん撮影

赤ちゃん背負って掃除機…が好き

 記念祭で紹介する2年の大野興毅(こうき)さん(17)と石塚一喜(かずき)さん(16)は25日、スウェーデン大使館(港区)を訪問。1等書記官のヨハン・フルトクイストさん(46)に企画を説明した。

 フルトクイストさんはスウェーデンの育児休暇について「議論を重ね、男らしさ、女らしさの常識を変えてきた。出生率を高めることにもつながる」と説明し、高校生の取り組みを歓迎した。

 大野さんは「赤ちゃんを背負って掃除機をかける写真が好き。お父さんの育児が当たり前の社会になっていけたらいい」と話した。

 写真展は予約制。聖学院中学・高校HPの「記念祭予約ページ」から「卒業生・後援会 聖学院関係者の方」に入ると、3日の入場予約フォームがある。フォームの「お立場」の項目で「聖学院関係者」を選び、その下の回答欄に「東京新聞・スウェーデン企画」と記載すれば、同展のみ観覧できる。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年10月30日