PTAこのままでいいの? 危機感抱く保護者、学校、メディアの70人が集結 都内でフォーラム
くじ引きで役員を押しつけ合ったり、必要性を疑う活動があったり―。「子どものため」を旗印に連綿と続いてきたPTA活動だが、このところあり方を問う動きが広がっている。東京都内で18日に行われた「PTAフォーラム~取り戻そう、自分たちの手に~」では、全国から集まった保護者ら約70人が、任意加入の周知や運営負担などさまざまな課題を話し合った。
「敗北感」だけでなく「本部役員の希望者が順番待ち」の成功例も
「アンケートをエクセルで集計しようとしたらベテラン役員に止められた」「校長が代わると方針も変わり、改革が頓挫した」
「PTAのあり方」「PTAと地域」などテーマごとに話し合うグループディスカッションではさまざまな体験が語られた。慣習などの壁に阻まれて改革を断念し「敗北感しかない」という役員経験者の声がある一方、「本部役員をやりたい人が順番待ちしている」といった成功例を話す人も。「改革にはどれくらい時間がかかったか」などたくさんの質問が飛び交った。
保護者アンケートでは約6割が「改革のために行動した」
ディスカッションに先立って行われた講演には、PTA改革で知られる神戸市立桃山台中の福本靖校長と、保護者の負担軽減を公約に掲げて当選した兵庫県川西市の越田謙治郎市長、保護者として問題提起をしてきた世田谷区の石原慎子(ちかこ)さんが登壇した。
福本校長は「保護者と意見を交わす場さえ確保できれば、他の活動は減らしてもよい」と強調。越田市長は「幼稚園から高校まで全ての子育て世代に共通する課題」と重要性を語った。石原さんはアンケートで約6割の保護者が改革のために行動したと答えた結果を紹介した。
木村草太さん「入退会を自由にして、非会員へのいじめなくすべき」
憲法学者で首都大学東京の木村草太教授も質問コーナーに立ち、「入退会を自由にし、非会員へのいじめ(差別)がなくなればPTA問題は解決する」と指摘した。
フォーラムは、PTA問題を取材してきた東京新聞、朝日新聞、地方紙の記者と保護者らで作る実行委員会が主催。「東京すくすく」も後援した。