〈子どもとデジタルライフ〉「学校へのスマホの持ち込み」小中学生の声は?

石川由佳理

 内閣府の調査によると、2017年度の小学生のスマートフォン利用率(保有を含む)は29.9%、中学生は58.1%で毎年上昇している。学校への持ち込みについて小中学生の意見は、60%台が下のグラフのように否定的だった。

※アンケートは4月下旬、中日新聞教育報道部の子ども記者として活動する小中学生(小5~中3)と保護者に実施し、153組が回答。

6割が否定的「持っていない子が孤立する」

 代表的な否定的意見は「スマホを持っていない子が孤立する」。心配しているのは、校内や登下校中の使用。「みんながゲームに熱中して話してくれなくなりそう」「下校中にゲームをしたり(動画サイトの)YouTubeを見たりする子が必ず出てくる」という意見も。スマホを持つことが当たり前になることへの危機感を抱く子どももいた。

 一方で、肯定的な意見として「緊急時や災害時の連絡手段」を挙げる子どもが多かった。学校の公衆電話で親と連絡を取っている小学生は、「公衆電話がたくさんあるわけではないので、待ち時間が長くて不便」と持ち込みに賛成。中には、「クラスのグループラインに入りにくく、情報が来なかったり、仲間に入れなかったりする」という理由で、賛成する中学生もいた。

持ち込みには反対、でもスマホは欲しい!

 持ち込みには反対だが、スマホは欲しいという声も。「学校に持っていくのはトラブルになるから嫌だけど、ラインをしたり動画を見たりしたい」「スマホがあれば、いろいろ調べられるし、音楽も聴けるからあったらうれしい」などの回答があった。

 他にも「公衆電話が減り、登下校時にスマホがあった方がいいが、トラブルも懸念され、いいともだめとも言えない」「スマホの利用方法をきちんと守っていないのは大人の方だと思う」という声もあった。