私立中の学費は公立の2.8倍 教育費は20年間のマラソン、ペース配分を考えて〈どんぶり一家のマネー術〉
短期留学、部活の遠征…想定外の出費も
財子 前回は、中学受験の費用について教えてもらいました。無事に入学できたとして、私立は学費も高いですよね。
陽子 文部科学省の調査では、私立中の学費は公立の約2.8倍となっています。学校にもよりますが、保護者の集まりなどにかかる費用も高額になる傾向があります。子ども同士も近くに住んでいないことが多いので、休日に遊ぶ際も行動範囲が広くなり、交通費や、お小遣いがかさんでしまうという声も聞きます。
〈前回はこちら〉東京で過熱する中学受験の費用 6年生は年間100万円
財子 それは想定外の出費ですね。
陽子 短期留学のプログラムなどがある学校もあり、子どもが参加したがるかもしれません。部活の遠征費などがかかる可能性もあります。進学に際しては、学費以外にも余裕資金を用意しておいた方が安心でしょう。
公立中から高校受験なら、塾の費用は?
財子 公立中から、高校受験というコースはどうですか。
陽子 公立中は学費は安いですが、2年生の終わりから3年生になると受験に向けて塾に通う子どもも増えます。保護者からは「公立校は受験に関する情報が少ないので、情報収集のために通わせている」という声も。高校受験の塾費用も4社の平均値図参照を出してみましたので、参考にしてください。
財子 高校に入るまでにもこれだけのお金がかかるのが現実なんですね。
陽子 少し前までは就学前が教育費の「ため時」と言われていましたが、最近は幼児期からの習い事などもバラエティーに富んでいて、子どもが生まれてこの方、常に「かけ時」という感じの家庭も少なくありません。
財子 際限がないですよね…。
陽子 覚えておいてほしいのは、教育費の支出は約20年間にわたる長期の「マラソン」だということです。大事なのは、どの段階にどれだけお金をかけるかというペース配分。常にフルパワーでは息切れしてしまいます。何を重視したいのか親子で話し合いながら、メリハリのある「走り」を目指しましょう。
監修・八木陽子
東京都在住。1男1女の母。出版社勤務をへて独立。2001年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、マネー記事の執筆やプロデュース、セミナーなどの仕事をする。05年、親子でお金と仕事を学ぶ団体「キッズ・マネー・ステーション」を設立。08年、家計やキャリアに関する相談業務を行う「株式会社イー・カンパニー」を設立した。著書に「6歳からのお金入門」(ダイヤモンド社)など。
※「どんぶり一家のマネー術」は毎月第1金曜に掲載します。次回の掲載は2月7日です。