休校中のオンライン授業どんな感じ? 日大三島中高の実践を取材 ライブ配信で生徒とやりとり、手探りの部分も
杉原雄介 (2020年4月17日付 東京新聞朝刊)
新型コロナウイルス感染拡大で学校の休校が続く中、学習の遅れを減らそうと現場での取り組みが続いている。日大三島中学・高校(静岡県三島市)は、自宅にいる生徒に映像を配信するオンライン授業を始めた。生徒とのやりとりを織り込むなどリアルタイムで参加できる工夫も凝らし、教室での授業に近い形での学習を目指す。その様子を取材した。
2016年からタブレット配布
「受験勉強はいかに効率的にやるかが大事」「教科書を徹底的にやります」。教師が語りかけるのは、目の前のパソコンに映し出された生徒たちだ。
日大三島では2016年から、授業や部活に役立てようと各生徒にタブレット端末を配っている。オンライン授業もタブレットで視聴する。主要5教科や保健などが対象で、ライブ配信のほか、録画映像を動画投稿サイトYouTubeで見る形式もある。
「できるだけ教室に近い形」
10日に行われた高校2年の英語の授業では、早坂知也教諭(40)がプリントのデータを生徒のタブレットに送ったり、教科書をパソコンのカメラに映すなどした。集中力を切らさないよう、生徒を指名して問題を出したり課題をこなす時間も設けていた。
一方「映像見えてますか」「声大きいかな」と生徒たちに聞きながら進めるなど、手探りの部分も。早坂教諭は「日常に戻った時に遅れが生じないよう、できるだけ教室の授業に近い形でやりたい。今後は生徒間で話す機会をつくるなど、楽しく勉強できる仕掛けを考えたい」と話す。
平日に50分×4コマ 録画も
オンライン授業は1コマ50分で、平日に1日4コマ実施。授業は録画して、復習のために見返せるようにする。高1生にはまだタブレットを配っておらず、当面は各自のパソコンやスマートフォンで視聴してもらうという。
静岡県内では静岡サレジオ小中高校(静岡市清水区)や静岡聖光学院中高(同市駿河区)などの私立校も、オンライン授業を実施。県立高校の一部でも、オンラインを活用した学習指導や、自宅にいる生徒の体調確認を行っている。