首都圏でも学校再開 茨城県や埼玉県の一部自治体 「3密」対策で子どもに笑顔

水谷エリナ、出来田敬司 (2020年5月19日付 東京新聞朝刊)
 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除された地域の一部で18日、学校が再開した。首都圏でも北関東などの公立学校で久しぶりに児童・生徒が登校。分散登校や消毒徹底などの配慮をしながら、学校に子どもの笑顔が戻った。

生徒の半分が登校した1年生の教室。毎日洗濯がしやすいジャージー姿で、机の間隔を空けて授業を受けた=18日、茨城県下妻市の下妻中学校で

毎日洗濯できるジャージーで登校  

 4月9日から休校が続く茨城県下妻市では、市立の小中学校全12校で分散登校を開始。小学生は通学班、中学生は出席番号に応じて2グループに分け、1日おきに登校する。

 下妻中学校では、全生徒の半数の約270人が元気よくあいさつしながら登校。午前中に授業を3コマ受けた。感染予防として、生徒には毎日洗濯できるジャージーを着て登校させ、教室前や昇降口にアルコール消毒液を設置し、教室や廊下の窓を開けて換気。教室では、生徒は前後左右の席を空けて座っている。

「新しいことにチャレンジしたい」

 40日ぶりの登校に1年の江連夢都(えづれゆめと)さん(12)は「ずっと家での勉強で友達にも会えなかったので、楽しかった」と喜んだ。1年の有泉碧季(ありいずみたまき)さん(12)も「部活など新しいことにどんどんチャレンジしたい」と意気込んだ。

 茨城県内では全44市町村が5月中に分散登校を実施する予定。早ければ6月1日に学校が全面的に再開する。

机は2メートル以上離して着席

 緊急事態宣言が続く埼玉県では、多くの自治体が6月から学校再開とする中、秩父市では18日から分散登校を開始。市内の感染者が1カ月以上前に確認された2人にとどまっていることなどから、実施に踏み切った。小中学校で児童・生徒を二手に分けて1日おきに通学させる。

 学校では久しぶりの再会を喜ぶ児童たちの姿が見られた。午前中いっぱい授業を受けた男児(7つ)は「おうちや学童でも勉強したけど、学校の方が楽しい」と話した。

 教室では、児童の机を2メートル以上離して密集するのを防いだり、出入り口を開け放って換気を促したりする措置が取られた。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年5月19日