赤ちゃんはどうやっておなかの中へ? サッコ先生が小学校で「親子で学べる性教育講座」

(2021年11月6日付 東京新聞朝刊)

親子に楽しい雰囲気で知識を伝える高橋幸子さん(中央)=中央区の月島第三小学校で

 親子で楽しく性に関する基礎知識を学べる講座が、東京都中央区立月島第三小学校で開かれた。同小PTAが企画し、講師を全国の学校で出前講座をしている埼玉医科大の産婦人科医、「サッコ先生」こと高橋幸子さんが務めた。日ごろ話題にしにくい体のことや生殖について正面から取り上げ「科学者になったつもりで正しい知識を学び、自分も周りの人も守ってほしい」と呼び掛けた。

性の「3つの科学」一緒に考えよう

 講座は先月30日に開かれ、1年生から6年生までの親子約20組が参加した。高橋さんは、「生まれる前の赤ちゃんの様子」「赤ちゃんが外に出てくる仕組み」「おなかの中にどうやって入ったか」の「3つの科学」について、子どもたちと一緒に考える形で話を進めた。

 赤ちゃんが生まれる通り道として女の子に腟(ちつ)があることを説明し、男の子も含め、「水着で隠れる部分とくちびる」を指す「プライベートゾーン」の大切さを解説。「命に直結するとっても大切なところ。他の人に見せて、触らせてと言われても嫌だったら断ったり逃げたりし、周りの大人に伝えよう」と強調した。

質問されたら「必ず答えるからね」

 日本の小中学校では、学習指導要領で性交そのものについて扱わないこととされており、その弊害も指摘されている。高橋さんは性交についても端的に説明した上で「性交は人間だけに与えられた言葉。動物の交尾と違うのは、単に子孫を残すためだけでなくお互いをもっと知りたいという思いをかなえるためのもの」と説明。「子どもができるという責任を伴うので子どもがすることではありません」と伝えた。

 保護者に向けては「性のトラブルに遭ってしまったとき、うちは相談できる家庭だと思ってもらうために、子どもに質問されたときには、すぐに答えられなくても必ず答えるからね、と伝え、本なども活用してほしい」と助言した。

 4年生と2年生の子どもがいる黒澤佳香さんは「大事なテーマだけれどどう話したらいいか悩んでいた。子どもと一緒に先生の話を聞いたことで、親子で話すきっかけにできそう」と話した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年11月6日