世田谷区が給食費10%引き上げ 食材高騰の影響 1食あたり約30円の増額分は区が負担

砂上麻子 (2022年6月1日付 東京新聞朝刊)
 世田谷区の保坂展人区長は5月30日の定例記者会見で、小中学校の給食費用を10%引き上げ、増額分は区が負担すると発表した。新型コロナウイルスや円安の影響で食材が高騰したことを受けた措置。対象は6月から来年3月まで。負担額2億2484万円は地方創生臨時交付金を充てる。

パン、めん、ひまわり油など高騰

 世田谷区によると、給食に使うパンやめんのほかひまわり油などの食材費が高騰しているという。現行の小学校(中学年)の1食あたりの給食費は272円だが、4月の食材価格で計算すると9%増の296.38円になる。

 今後も食材費の高騰が続くことが予想されるため、区は給食の栄養バランスや質の維持のため給食費用を引き上げる。だが保護者負担を考慮し給食費の値上げはしない。

 引き上げ額は25円から34円。小学校低学年の場合現行の244円から25円、自校式の中学校は同じく337円から34円、それぞれ上げる。

 引き上げ分の公費負担について、保坂区長は「食材の高騰で栄養士も献立を考えるのに苦労している。給食は学校の大切な機能なので、子どもが栄養を取ることは保証しようと考えた」と説明した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年6月1日