千葉市に公立夜間中学が開校 年代、国籍さまざまな38人が新入生に
当時通えなかった66歳「学び直しを」
かがやき分校は真砂中学本校に隣接する教育複合施設「まさご夢スクール」に設置された。1学年各1クラスで、これまでの学習歴などに応じて1年生21人、2年生11人、3年生6人が入学。1限目の授業は午後5時半開始で、同9時まで週5日間、1日4コマの授業がある。国語や数学、体育など中学の教科を学び、全ての課程を修了すれば卒業資格を得られる。
開校式で1年生の男性(66)は新入生代表の言葉を述べ「家庭の事情で中学校に十分通うことがないまま、半世紀以上が過ぎてしまった。働き続ける中で学び直しをしたい気持ちが強くなった」と振り返り、「千葉市に夜間中学が開校すると聞き、気持ちが急に若くなった。すてきな学校だと胸を張り言えるように頑張る」と誓った。
外国籍が7割 学習進度に寄り添い指導
公立夜間中学は、さまざまな理由で義務教育を終えていない人や日本で暮らす外国籍の人に教育の機会を提供しようと、公立中学の分校の位置付けで設けられる。国は各都道府県と政令市に少なくとも1校設置するよう促している。県内では市川、松戸両市に次いで3校目。
アフガニスタンや中国など6カ国の外国籍生徒が28人と全体の7割超に上るほか、市外からも生徒を受け入れる。教員は24人で、日本語担当やスクールカウンセラーも配置。授業ではメインの科目教員のほか、補助教員も加わり、生徒の理解度や学習進度に寄り添った指導に当たる。
未来を照らし希望を実現できる拠点に
神谷俊一市長は式辞で公募で決まった校名の由来に触れ、「学び直しを決意した皆さんの未来を明るく照らし、希望を実現していける拠点でありたい」と述べた。
ともに3年生に入学した、浜野はるかさん(15)は今年初めまでインドネシアで暮らしており「1年で卒業して高校、大学と進みたい。友達もつくりたい」と語り、ネパール人のタパ・ダイモンさん(17)は「日本語や理科、社会を勉強したい」と話した。