「新たな学び」を目指して 10~70代、国籍も多様な22人が入学 千葉・松戸に夜間中学開校

林容史 (2019年4月23日付 東京新聞朝刊)
 千葉県松戸市に16日、開校した県内2校目の公立の夜間中学「市立第一中学校みらい分校」に22人が入学した。10~70代と年齢層は幅広く、外国人も9人が学ぶ。新入生は、さまざまな思いを胸に、新たな学びに期待を寄せる。 
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夜間中学への期待を話す岩間雄大さん=千葉県松戸市で

中学時代に引きこもった17歳・岩間さん「整体師を目指す」

 3年の岩間雄大さん(17)は入学式後、「苦手な英語と国語を重点的に勉強したい」と笑顔を見せた。

 中学1年の夏、「周囲をものすごく気にして、気持ちが落ち込んだ」。他人の気持ちに敏感になり、そういう自分が分からなくなって不登校になった。中2からまた学校に行き始めたが、3年の夏に再び引きこもるようになった。この間、フリースクールに通い、現在は通信制高校でも学ぶ。しかし、中学は卒業したものの「まともに授業が受けられなかった」という欠落感から、夜間中学で学び直すことを決意した。

 将来は整体師を目指すという。まだ、通い続けられるかどうか分からないが「クラスは明るく、先生も優しい。人生でもあまりない経験。話して、学びたい」と思いを口にした。

ブラジル国籍の49歳女性も「学校生活をやり直したい」

 新入生を代表し、誓いの言葉を述べたのはブラジル国籍で1年の西チヨカさん(49)。中学で十分に勉強できず、その後は「日々の生活に追われるままに年を重ねてきた」と振り返った。

 来日して結婚、わが子が学校生活で友だちとの経験を通して成長していく姿を見るにつけ、「学校生活をやり直してみたい」と何度も思ったという。

 西さんは「学び直す場を新たにつくってくださったたくさんの方々に心から感謝し、その期待に応えられるよう共に頑張っていく」と結んだ。

 久保木晃一校長は式辞で「皆さんは年齢も、これまでの経験も違う。自分とは異なる生き方や考え方に触れる中で、自分の人生をより豊かにしてほしい」と呼び掛けた。

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