子どものスマホは「1円も課金できない」ように設定可能です ゲーム高額課金の予防策、専門家が解説

 子どもがスマートフォンでゲーム課金をし、高額な請求書が届いて驚いた、というケースを耳にしたことがありませんか? なぜこのようなことが起こるのか、どう防いだらよいのか。この問題に詳しい、国際大グローバル・コミュニケーション・センターの小木曽健客員研究員に聞きました。

国際大グローバル・コミュニケーション・センターの小木曽健 客員研究員

支払い方法は3種類だけ 事前の設定を

ー保護者はどのように注意すればよいでしょうか。

 よく気付いたら勝手に高額利用されてしまった、と言われますが、お金を支払える設定をしたり、事前にやるべき適切な設定を漏らさなければ起こりえません。

 この部分が誤解されているように思います。「知らないうちに高額請求が来た」というのはミスリード、誤解を招く表現です。

-全く認識していませんでした。具体的にはどういうことでしょうか。 

 課金支払いの方法は3種類しかありません。

 まずはクレジットカード情報の登録。当然、子どもですから親のカードを登録することになります。言うまでもなく、登録しなければ課金できません。

 2つ目は電話代合算請求(キャリア決済)です。これは契約時に利用できないよう設定すれば大丈夫です。

 3つ目がコンビニなどに行って、プリペイドカードを購入する。こちらは先払いで、お小遣いの話なので少し違う話になります。お金がないと買えないものですから、家庭内で話し合ってください、となります。

情報を消さないと「クレカ渡した状態」

ーなるほど、となると注意すべきは、クレカ払いとキャリア決済ですね。

 このうちクレカの場合は、子どもに頼まれてスマホに登録したことがあったのでしょう。大切なのは、必要がなくなったらクレカ情報を消すこと。消さなければ、保護者のクレカを渡しっぱなしにしているのと同じですから。もし登録しても、必要がなくなったら削除する、これを基本としてください。

 電話代合算請求は、子どもが無断で設定を解除しないよう、設定変更用のパスワードは親だけが知っている状態にしてください。

未成年の「取り消し」には例外もある

ー高額請求書が届いたら、どうしたらいいでしょうか。

 子どもが親の知らないところで、お小遣いの範囲を超える買い物、借金をした場合は取り消せる場合があります。民法の未成年者契約取り消しは、消費者が知っておくべき、重要な法律です。

 もちろん例外規定、事項はあります。例えば、買い物が小遣いの範囲内だったとか、親のクレカを使っているとか。子どもが親のクレカを使ってした買い物は、親が承認していると解釈されるからです。

 未成年なのに成年と偽っていた場合も認められません。こういう制度が存在していることを知り、クレカはしっかり管理する。子どもがクレカを勝手に使うとか、年齢詐称するとかは、そもそもNGな行為ですよね。

 キャリア決済については、会社によって設定方法が異なるので、サポート窓口に問い合わせてみてください。

「許可制」でも高リスク、お忘れなく

ーGoogleやApple、携帯電話各社は、スマホの利用時間や機能に制限をかけるペアレンタルコントロールを無料で提供しています。

 それらのフィルタリングは多機能で、子どもの課金を許可制にするとか、子どもがたった今、使っているアプリを遠隔で止めてしまうなどができます。

 ですが、これはそもそも、お金が使える状態になっていることを制御する、という最後のとりでになります。まずはお金を使える、そういう状況をつくらないことが大事だと思います。

 保護者のみなさんには、支払いのやり方が3つあり、いずれも使えない設定にしておけば、使えない、ということを認識してほしい。それでも、何かの間違いで、子どもがお金をたくさん使ってしまったら、未成年者契約取り消しという制度があることを知ってほしいです。

 そしてフィルタリング機能はあくまでおまけで、課金を親の許可制にするなどの仕組みはあるけれども、基本的に子どもが課金できる状態というのは、リスクが高いことを知ってほしいです。

コメント

  • フィルタリング機能は我が家でも導入していますし、学校のお達しなどでもよく聞く話でしたが、そもそもはお金を使えない状態にしておくこと、というのは初耳でした。確かに、そこが肝ですよね。 子供用携帯へ
    あわや 女性 40代