<わたしの糧ことば・特別編>2児の母・フェンシング選手 佐藤希望さん

(2017年9月24日付 東京新聞朝刊)

2児の母で、フェンシング選手の佐藤希望さん

ママのお仕事は練習、僕の仕事は遊び

 リオデジャネイロ五輪の半年前に、当時2歳の息子がかけてくれた言葉です。朝、練習場に隣接する託児所に息子を預けに行く途中でした。「心配しないで練習してきてね」という気持ちかな。私も頑張らないと、と思いましたね。

 当時は夫と離れ、東京で母子2人で暮らしていました。毎朝5時半に起き、朝食と息子のお弁当を作って車で練習場へ。息子を預けてトレーニング。帰ると家事が待っていて、きつかった。でも、時間が限られている分、ロンドン五輪の時より集中して練習できたので8位に入賞できました。息子には、帰国後、金色の折り紙を貼った手作りのメダルをもらったんですよ。

 今年6月に次男を出産し、競技に復帰するのはもうちょっと先かな。五輪の度に順位は上がっているので、東京大会ではメダルを目指したい。息子たちに勝つ姿を見せてあげたいです。

さとう・のぞみ

 福井県出身。大垣共立銀行所属。リオ五輪フェンシング女子エペで日本女子初の8位入賞。全日本選手権では最多の5回優勝。

 

糧ことば

 人生の先輩などから言われて救われた子育てに関する言葉。共有することで、独りぼっちで悩みがちなママたちの心を少しでも軽くしたい-との願いを込め、広告会社・博報堂の「リーママプロジェクト」のメンバーが名付けた。東京新聞では2016年9月から2年間、読者から寄せられた「わたしの糧ことば」を連載。著名人による特別編も5回掲載した。