ママ版サラリーマン川柳!? インスタ発「産後カルタ」が本に 育児の「あるある」400点

福本英司 (2019年8月17日付 東京新聞夕刊)

 育児や出産のエピソードを現役のママたちが句と絵にした「産後カルタ~あるある!これがリアルなママライフ~」が書籍化された。子育て中の多くの母親が日頃感じている思いをユニークにまとめた内容が、共感を呼んでいる。

「忙しいママがクスッと笑って、肩の力を抜ければ…」

 「あすこそは 優しい母に…と 誓う夜」。布団の中で健やかに眠る子どもに寄り添いながら、涙を流して反省している母親を描いた一枚。小さな文字で「またイライラして あんな言い方しちゃった ごめんね… 明日から頑張るね…」と添えている。

 産後カルタは、ネットの母親向けサイト「ママスタジアム」内のコーナー「ママスタセレクト」で育児や家事の情報を発信している母親スタッフや外部のライターが、写真共有アプリのインスタグラムに2017年春から投稿してきた。

 形式は五・七・五をはじめ漫画風などさまざまで、カラフルな作品が目立つ。ママスタジアムを運営する「インタースペース」(東京)の担当者は「育児や家事で大変なママがくすっと笑って、肩の力が抜けるようにしてほしいとの思いから始めた。ママの気持ちにより添った『母親あるある』をまとめた」と話す。

「子育てギャップ」「夫への不満」などジャンル分け

 忙しいママでもすぐに読めるように、かるた形式で紹介しているのがポイント。人気に目を付けた出版社「ぴあ」が、400点を選んで5月末に書籍化した。書籍では、産前と産後に想像していた子育てのギャップや、夫への不満をつづったコーナーなど、ジャンルごとに分けている。書籍化の後、インスタのフォロワー数が1万人増えて9万2000人になった。

 18作品が掲載された外部ライターの一人でパート女性のペンネーム「りょうかあちゃん」(40)=愛知県知多市=は、「あすこそは…」で始まる反省する母親の作品を考案。自身も小中学生の子育て中で、「育児中に怒りたくないのに、どうしようもない時があることを表現した」と語る。「どの作品も出産前や育児中のお母さんたちに読んでもらい、『こんなことあるよね』って、笑って共感してもらえればうれしい」

 A5判で176ページ。1188円。各地の主要書店で販売している。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年7月17日