子どもを強く怒鳴ると、脳の発達に悪影響も どんな注意が必要?
(2024年3月6日付 東京新聞朝刊)
「3歳の孫が父親からささいなことで怒鳴られている。外出先でも大声で…」と、孫への影響を心配する方から相談が寄せられました。子どもに大きな声を出すことは、どんな面で注意が必要なのでしょうか。国立成育医療研究センターこころの診療科の田中恭子診療部長に聞きました。
孫がささいなことで怒鳴られている
長男が3歳の孫息子を大声で怒ります。食事中に「こぼすこぼす」と注意するなど、ささいなことでも外に聞こえるほどの声で怒鳴ります。人前でも変わらず、出先で雰囲気が悪くなることも。6歳の孫娘には普通の態度です。家事も子どもの世話も熱心ですが、孫への影響など心配です。(64歳)
怒鳴られて、心身の症状が
◇国立成育医療研究センター こころの診療科 田中恭子診療部長の話
子どもに対する大きな声が、恐怖や不安をあおる、あるいは脅かすような怒鳴り声の場合には、脳の発達にも影響するといわれています。
怒鳴られていると、信頼関係をつくるのが苦手だったり、不安感が強かったり、さまざまな心身の症状が出てくる子が多いです。
一貫性がないのも良くない
また同じような行動なのに、親の感情で怒鳴ったり褒めたりと一貫性がない声かけをする場合にも、混乱や不安につながり、発達に影響すると考えられます。できるだけ同じ態度で関わる方が良いとされています。
ご相談の長男さんは、上の子の娘さんには普通の態度とのこと。きょうだい間で親の関わり方が違う場合にも子どものトラウマ(心的外傷)体験になり、より子どもは混乱するでしょう。
怒鳴る人に、どう伝える?
つい怒鳴ってしまい「やってしまった」と自責の念を持つ方もいます。周りから「大きな声で私もびっくりしましたが、大丈夫ですか」などと声をかけることは大事。そこで大声を出していたと気付く方もいます。
祖父母ら親戚なら「怒鳴ると発達に影響するみたいだよ」などと優しく伝えるのもいいかもしれません。
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