三鷹市の河村新市長が「待機児園」構想 「保育園に空きが出るまでのつなぎの仕組みを」
花井勝規 (2019年5月21日付 東京新聞朝刊)
4月の東京都三鷹市長選で、市役所庁舎・議場棟などの建て替えに反対して初当選した河村孝さん(65)は本紙のインタビューに応じ、停滞している三鷹駅前中央通り東側の再開発を前に進め、子どものための複合施設「子どもの森」(仮称)をつくる構想など抱負を語った。
老朽化した三鷹センターは「子どもの森」に
-駅前再開発にどう取り組む。
「土地の大半を持っている都市再生機構(UR)と地権者、市が三すくみになり動かなかった。市長自ら協議に入り、前に進めたい。市のブランド力を高めるため、一点集中で頑張る。駅前が栄えれば周辺に波及し、税収が増え、投資的経費は回収できる」
-再開発エリアの一角、「三鷹センター」の老朽化が著しい。
「市役所より前に建てられた建物で、建て替えの優先度は市役所より高い。そこに保育園など子ども関係の施設を集めた『子どもの森』をつくりたい。屋上や壁面の緑化で、三鷹の緑のシンボルにしたい。外観のイメージとしては、スタジオジブリの『天空の城ラピュタ』のようなものを思い描いている」
-市役所庁舎・議場棟などを建て替える計画は。
「市の計画は白紙にする。建て替えを急ぐ必要はないので、凍結し、立ち止まる姿勢を明確にしたい。6月議会で予算の減額補正で対応したい。市の財政力を考えると(市役所庁舎建て替えと駅前再開発の)二正面作戦は無理だ」
保育士経験者を活用するため、派遣会社の設立も
-待機児童対策は。
「保育園新設には時間がかかるので、保育的な空間『待機児園』を考えている。保育園に空きが出るまでのつなぎとして、みんなで支える仕組みがほしい。保育士経験者の活用のため派遣会社設立も考えたい」
-議会対策は。
「市庁舎建て替え問題でねじれはあるが、しこりは解消できると思っている。新しい三鷹に向けてオール三鷹、未来志向で行こうと訴えたい」