衣替えの時季、今のままでいい? 船橋の高校生がアメダスデータを分析 平均気温の上昇を確認
船橋、佐倉、龍ケ崎市の3地点を調査
慣例的に、6月から夏服、10月からは冬服となる高校生らの衣替え。「平均気温は上昇傾向だと言われているが、衣替えの時季をずらせないか」。そんな思いから、千葉県立船橋芝山高校(同県船橋市)の2年生が、データを基に過去40年間の気温を分析すると、予想通り気温が上昇していた。生徒たちは「衣替えを5月上旬、10月中旬に変更しては」と校内での提案も考えている。
同校で地理を教える上野剛史教諭(32)が昨年10月、生徒による研究を授業で持ち掛けたところ、当時1年生だった千葉日南音(ひなね)さん(16)、石井美咲さん(16)、久保田香帆さん(16)、中尾七海(ななみ)さん(16)の4人が手を上げた。昨年は10月になっても気温が高く、生徒の間で「冬服は暑い。しばらく夏服のままでいいのでは」との声が相次いでいた。
4人は、衣替えの時季が実態に合っていないのではと考え、気象データを収集・公開している地域気象観測システム(アメダス)に着目。船橋市のほか、船橋からほど近く、郊外の千葉県佐倉市、農村地帯の茨城県龍ケ崎市の3地点の気温を比べることにした。
船橋では40年で月平均気温が1.4度上昇
学校が開校した1978年から2017年までのデータを調べた結果、10年ごとの月平均気温は船橋が1.4度、佐倉が1.3度、龍ケ崎が1.1度それぞれ上昇していた。船橋の気温が高かったのは、都市化が進みヒートアイランド現象が影響したと考えている。
4人はこの取り組みを、「気象データから見る衣替え-アメダスから考える私たちの制服と生活-」のテーマで取りまとめた。その成果は、日本地理学会2020年春季学術大会・高校生ポスターセッションで公表されるなどした。
千葉さんらは「年々暑くなっていると言われるが、温暖化は気温データからも裏付けられた。私たちの制服や生活スタイルも、温暖化に合わせるべきだと思います」と話している。