〈えほん〉「焼けあとのおにぎり」作・うるしばらともよし 絵・よしだるみ
むなしい戦争が終わった。福島のおばあちゃんのもとに疎開したキヨシは、焼け野原となった東京へ家族を捜しに行く。おばあちゃんは大切な着物をお米に換え、おにぎり5つを持たせてくれた。
電車内でおにぎりをねだる小さな男の子、「一つあげるよ」と声をかけるしかないほどやせ細った学級長のイサム、駅舎で寝起きし、おにぎりを奪い取っていった少年…。おにぎり一つがどれだけ貴重なものだったか。終戦直後の混乱が伝わる。
東京大空襲から75年がたった。平和の尊さに思いをはせたい。
1650円。国土社=電話03(6272)6125。