低所得の「ふたり親」はひとり親世帯より困窮 コロナでも支援なし…NPOが給付金を要望
上坂修子 (2021年2月10日付 東京新聞朝刊)
3月中に「第一子5万円、第二子以降3万円」を
新型コロナウイルス感染拡大で低所得の子育て家庭の生活が打撃を受けているとして、困窮する子どもらを支援するNPO法人キッズドア(東京都)の代表らが8日、東京都内で記者会見し、住民税非課税などの世帯を対象に第一子は5万円、第二子以降は1人当たり3万円の給付金を3月中に支給するよう政府に求める要望を発表した。
光熱費や家賃が払えないふたり親は、ひとり親よりも多かった
政府は昨年、児童扶養手当を受給している低所得のひとり親世帯に「臨時特別給付金」を2回支給したが困窮するふたり親世帯には支給しなかった。
キッズドアが昨秋実施したアンケートによると「過去1年間で電気、ガス、水道、家賃などの支払いができなかった」世帯はふたり親で37%に上り、ひとり親の21%よりも多かった。「貯蓄が10万円未満」の世帯もふたり親が51%とひとり親よりも10ポイント高かった。
これまで支援なく困窮 サイトで署名を集め、菅首相に提出へ
キッズドアの渡辺由美子理事長は「ふたり親世帯には今まで全く何の支援もない。大変な子どもたちみんなに(給付金を)出してもらうことが重要だ」と訴えた。
同席した末冨芳(かおり)日本大教授は「データで見るとふたり親の貧困率に該当する世帯数の方が多いというのが分かってきている」と指摘した。キッズドアなどは現在、キャンペーンサイト「コロナで困窮する子どもを救おう」で署名を集めており、今月中旬にも菅義偉首相宛てに提出する。
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