地震発生直後にとるべき行動は? 被災場所ごとに解説します 基本は「慌てず、身近な物で頭や身を守る」
長壁綾子 (2021年3月11日付 東京新聞朝刊)
地震は突然、襲ってくる。大きな揺れに驚き、けがをしたら命にも関わる。最初の行動が肝心だ。生活者視点の防災を提唱するNPO法人ママプラグ(東京)理事の宮丸みゆきさんは「身の守り方は被災場所によって異なる」と話す。揺れた直後、どんな行動を取ればいいか再確認したい。
火の始末は揺れが収まってからでいい
グラッときたら、まずどうすればいいか。宮丸さんは「どんな場所や時間でも慌てず、身近な物で頭や身を守るのが基本。その上で場所に応じて適切な行動を取る」とアドバイスする。
自宅のキッチンで調理中を想定すると、気になるのは火の扱い。家庭の都市ガスやプロパンガスは、震度5程度以上の地震発生時、メーターが感知して自動でガスが止まる。
「慌てて火を止めようとすると鍋やフライパンが落下し、やけどやけがを負う危険性もある。火の始末は揺れが収まってからでもいい」と宮丸さん。「食器を出しっ放しにしない、コンロの近くに可燃物を置かないなど、日頃からリスクを減らす癖を付けて」と呼び掛ける。
夜間の大きな地震にも注意が必要だ。就寝中に揺れを感じたら寝具で頭を守る。停電に備え、枕元に懐中電灯などを準備しておく。割れたガラスなどを踏んでけがをしないよう、普段からスリッパなどの履物も用意しておきたい。
自宅を離れるならブレーカーと元栓を
外出時は頭や身を守りつつ、危険な場所から離れることが大事だ。
商業・娯楽施設や、バス・電車内などで被災したら、身の安全を確保した上でその場にとどまり、揺れが収まってから職員や乗務員の指示に従って避難を始める。
自宅から避難するときは、停電から復旧時の通電火災など二次災害を防ぐため、ブレーカーを落とし、ガスの元栓を閉める。
宮丸さんは「エレベーターや電車に閉じ込められることもある。携帯トイレや常備薬などを入れた防災ポーチ、モバイルバッテリーも必ず携行して」と念押しする。