「子育て支援金」負担額は年収でこう変わる 会社員で600万円なら月1000円 岸田首相は「500円弱」と言ったけど…

 【第5回】今年10月分から始まる児童手当の拡充など政府の「異次元の少子化対策」の財源は、「子ども・子育て支援金」として公的医療保険料に上乗せして徴収されます。岸田文雄首相が当初説明していた1人当たりの平均月額500円弱を上回る金額が天引きされる人も多そうです。どの程度の負担になる見込みなのでしょうか。

2026年度から徴収 段階的に引き上げ

 こども家庭庁の試算によると、月平均負担額は加入している公的医療保険によって違います。

 負担額は2026年度から段階的に引き上げられ、制度が確立する2028年度でみると、労使で折半する被用者保険のうち、主に大企業の会社員が入る健保組合は、被保険者の負担が1人当たり850円。主に中小企業の会社員が入る協会けんぽは1人当たり700円。公務員や私立学校職員が入る共済組合は最も高く、1人当たり950円となります。

 共働きで互いに扶養に入らない働き方の場合、年収に応じてそれぞれ負担します。

 世帯ごとに徴収している自営業者らの入る国民健康保険の場合は、1世帯当たり月600円程度の上乗せとなりそうです。

 国民健康保険は、被用者保険のような「扶養」制度がなく、加入者がそれぞれ保険料を負担するため、被用者保険との比較は難しいところがあります。

加入する保険制度によって徴収額が違う

 加入者1人当たりの金額として計算した試算によれば、徴収額は被用者保険全体で月500円、国民健康保険で月400円としていますが、所得や加入している保険制度によって金額に幅が出ます。

 こども家庭庁が公表した年収別徴収額の試算から考えると、2028年度はどうなるでしょうか。

 被用者保険の加入者の場合、徴収額はこうなります。

  • 年収200万円なら月350円(年4200円)
  • 年収400万円なら月650円(年7800円)
  • 年収600万円なら月1000円(年1万2000円)
  • 年収800万円なら月1350円(年1万6200円)
  • 年収1000万円なら月1650円(年1万9800円)

 仮に夫婦ともに会社員で年収各600万円の場合、2028年度の徴収額は2人で年2万4000円となります。

 いっぽう国民健康保険(国保)の加入者の場合、徴収額はこうなります。

  • 年収600万円なら月800円(年9600円)
  • 年収800万円なら月1100円(年1万3200円)

 国保加入者の9割は年収400万円未満としており、軽減措置の対象となる年収300万円の場合は月400円、年収160万円は月200円となります。

 75歳以上の後期高齢者医療制度は加入者1人当たり350円。国保とともに、低所得者向けの負担軽減措置が設けられる予定です。

恩恵のある家庭が多いが…試算しにくい

 児童手当の拡充などで、負担を上回る恩恵を得る子育て家庭は多いものの、子どもの年齢や数によっても大きな差があります。

 ファイナンシャルプランナーの八木陽子さんは「各家庭がいつからどのぐらいの支出なのかもっと細かく試算しやすい状況でないと、子育て世帯は納得できず、物価高もあって不安な気持ちも大きいのではと思います」と話しています。

〈チェック!子育て家計術〉 出産、子育て、習い事、教育など子育て家庭の出費は何かとかさむもの。この連載では、国や自治体の支援策や子育て家計に役立つ情報をファイナンシャルプランナーの八木陽子さんとともにチェックします。

監修・八木陽子

 東京都在住。1男1女の母。出版社勤務をへて独立。2001年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、マネー記事の執筆やプロデュース、セミナーなどの仕事をする。2005年、親子でお金と仕事を学ぶ団体キッズ・マネー・ステーションを設立。2008年、家計やキャリアに関する相談業務を行う株式会社イー・カンパニーを設立した。著書に「6歳からのお金入門」(ダイヤモンド社)、「10歳から知っておきたいお金の心得」(えほんの杜)など。