〈えほん〉「ゆめのごちそう」作 ペク・ヒナ 訳 長谷川義史

(2024年6月19日付 東京新聞朝刊)

(長壁綾子撮影)

 きょうだいで一番年上のカエル。他のオタマジャクシよりちょっと先に、たまごから生まれた。大人のカエルが仕事にでかけると、兄ちゃんカエルはオタマジャクシの面倒を見てあげる。

 「おなかがすいた」と言われれば、舌を伸ばし「しゅわっちょ!」と獲物を捕まえる。「にいちゃん、こっちも!」「にいちゃん、ぼくにも!」。弟たちのために、兄ちゃんは奮闘するのだけど…。

 水辺の臨場感はアニメのアナログ制作のセル画を何層も重ねる手法で表現。水草や背景など奥行きが感じられる。軽妙な関西弁も楽しい。

 1540円。ブロンズ新社=電話03(3498)3272。