「ふたごキャラバン」に100組以上の親子連れが参加 双子・多胎児家庭の大変さを知り、手を差し伸べるきっかけに
会場には双子を育てているファミリーに役立つブースがたくさん並びました。
後部座席が2つある「ふたごじてんしゃ」の試乗会。ファミリー写真撮影会。
おそろいの子ども服が多めのフリーマーケット。多胎育児の先輩と話せるピアサポート体験なども。
晴天にも恵まれ、訪れた双子・多胎児の家族連れはなんと100組以上。双子用ベビーカーが多数派というなかなかない状況に、みなさんリラックスした様子で交流を深めていました。
東京すくすくのブースでは、双子・多胎児家庭から共感が寄せられている南家真紀子さんの連載「MIRACLE TWINS」を展示し、「今だから笑って話せる子育てエピソード」を募集。手書きのメッセージが、用意したボードに収まらないほどたくさん集まりました。
【今だから笑って話せる子育てエピソード】に寄せられたメッセージ
「でかける直前に うんちもれそう×2」
「0~2歳までは近くの公園に行くだけで大仕事でした。出かけ先で2人同時に泣かれた時は、絶望でした。子供1人+大人2人の家族を見てうらやましいと思うこともありました。でも本当に双子はかわいいので今では良い思い出」
「交互に起きて3秒しか一晩でねむれなかった新生児期…自分で自分をほめたいです!」
「夜中、一人がおきるともう一人もおきてしまう 双子あるある」
「夜中の授乳中、あまりに意識とびすぎて双子を落としてしまった…あの時がなつかしい…」
「生後1年半くらいまでは毎日あわただしく一息つく間もありませんでした。自治体の多胎児イベントで知り合ったツインズ仲間は今でも私の心の支えであり、同志です」
多彩なエピソードの中でも、乳幼児期の夜の授乳など双子育児に忙殺され、追い詰められていった体験が目立ちます。
メッセージを書いた母親が、双子用ベビーカーを押しながら「まだ笑い話にはならないかな。大変すぎて…」とつぶやいていたのが印象的でした。
―今年で2回目の開催ですね。
「昨年はあまり情報がない中で、50組も来てくれました。ツイッターで感想を調べたら『楽しかった』という声が多くて。こんなにたくさん双子・多胎児家庭が集まる場は見たことがなかったので、今年もやろう! と思いました」
―このイベントにどんな思いを込めていますか。
「当事者どうしが交流するだけではなく、地域全体の人たちを啓発したいと思っています。多胎育児の大変さや楽しさを知っていただくことで、手を差し伸べてもらえるきっかけになれば、と」
―どれだけ大変か、まだまだ知られていないのですね。
「『そんな大変さがあるとは知らなかったから、手助けできなかった』という人がすごく多いんです。こちらが知ってほしいことを発信すれば、絶対に手を差し伸べてくれる人がいる。そういう広がりを期待したいです」
―あらためて、これだけたくさんの双子家庭が集まった光景を見て、いかがですか。
「やっぱり、多胎児家庭どうしで話しているときの笑顔が、すごく明るいんですよね。仲間どうしで通じ合うものがあるんだなというのが、見ていてわかります。私ももっと出会いたかったなーって思います(笑)」
「大変さ」は、育児経験者でも想像を絶するものがあるようです。1歳10カ月の双子の父親(39)は「6歳と4歳の子がいますが、双子の大変さは全然違いました。やることが2倍というだけでなく、機嫌もバラバラで振り回されます」。
苦笑いしながらも、こう語ってくれました。「でも双子どうしが一緒に笑い合っているのを見たりすると、大変だけどいいなあ、と思うんですよね」。そして「これだけたくさんの双子家庭が集まるのは珍しいですね」とにっこり。
「SwingRing」の中川さんは来年以降もこの「ふたごキャラバン」を続けていくつもりだそうです。今回は行けなかった双子・多胎児家庭のみなさんも、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。
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