「転校した小1の娘、登校班の雰囲気が冷たい」の悩み 専門家が答えます〈子育て相談 すくすくねっと〉

海老名徳馬 (2023年3月3日付 中日新聞朝刊)

 昨年12月24日に公開した「小1の娘が一緒に通学している登校班の雰囲気が冷たく感じられ、見ていてつらい」という悩みには、主に同じような経験を持つ読者から多くの励ましや助言が寄せられた。小学校への集団での登校にはどんな利点や難しさがあり、どのような対処法が考えられるか。専門家の意見も紹介する。

あいさつしても無言 欠席時の連絡帳も頼みにくい

 他県から5月に引っ越して以降、小1の娘が一緒に通学している登校班の雰囲気を冷たく感じます。あいさつしても無言で誰とも目が合わず、欠席などの際に連絡帳の提出をお願いしづらいです。スクールカウンセラーは「恥ずかしがり屋なのでは」と。どうしたらいいでしょうか。(名古屋市・42歳)

小学生も朝はテンション低め?

 相談者と同じように、集団登校の班の雰囲気が気になるという声は多かった。愛知県東海市の女性(41)は小2の娘の登校班が「あいさつも会話もなく、毎朝黙々と一列で歩いて登校」すると説明する。

 入学当初は驚いたが、知り合いの保護者などに聞いたところ「小学生といっても、朝からテンションは上がらないらしい」と言われて納得したという。コロナ下で子どもたちも話しにくいかもしれないといい、「下校時の方がそれぞれの子どもたちの様子が分かる気がする」と書いた。

困り事 ルール化して対処を

 名古屋市緑区の女性(42)も息子の登校班の雰囲気が「お葬式のよう」に暗いと心配した。様子を見るうちに分かったのは、集合時間に度々遅れてくる児童がいること。高学年の班長ら他の子どもは待たされて困っていたという。

 学校に相談したところ「知りませんでした。教えていただいてありがとう」と返事が。「遅れる子は待たなくていい」とルールが明確になった。遅れがちだった児童も遅刻が減り、余裕を持って登校できるように。「毎日見ていれば、どんな問題があるのかだんだん分かってくる。気付いたことがあれば学校に相談してみては」と思いやった。

安心感生む保護者のフォロー

 登校班の中でトラブルを経験したという声も寄せられた。同市東区の女性(47)は、娘が小3で引っ越した際、班長と反りが合わず、登校中に暴言を浴びせられた。しばらくは集合場所まで子どもに付き添い、周りの子どもたちが無言でもあいさつを続けた。「親が平気なふりをすると、子どもは安心すると思う」。続けるうちに声をかけてくれる子が現れ、元気に登校できるようになったという。

 子どもが上級生として悩んだという声も。愛知県岡崎市の女性(50)はかつて、小6だった娘が登校班の班長に。12人の下級生を並ばせて登校する際、注意を聞かず連絡なしで休むことがある児童に悩み、朝に布団から出られなくなった。

 学校に相談して、しばらくは親子や1人で登校。集合に遅れる子どもを班長が迎えに行く慣習があったが「遅れるときは待たずに出発していい」と言い聞かせ、夏休みを挟んで登校班に復帰した。「しばらくは保護者が同行してみてもいいのでは」と助言する。

トラブルが起きたらすぐ学校に相談を

小さい子の扱いが分からない児童

 集団での登下校が全国で広まったのは、1960~65年ごろとされる。名古屋市内で長く小学校の教員を務め、東京新聞生活面で連載している岡崎勝さん(70)は「車社会が広がり交通事故が増える中で、通学路の安全確保のためだった」と説明する。登下校中の犯罪被害を防ぐ効果もあるという。

 文部科学省が2018年に発表した登下校防犯プランには、「子どもを極力1人にしないという観点から、安全な登下校方策を策定し実施することが重要」と記載する。登下校の方法は最終的には各学校が決めているが、同省の18年度の調査では、全国の小学校での集団登下校の実施率は約63%。学校が密集している大都市や、反対に学区が広くスクールバスが走っているようなエリアなどでは、自由に登下校する学校も多い。

 集団での登下校時に子ども同士の問題が起こる要因を、岡崎さんは「今は少子化できょうだいが少なく、近所の子と遊ぶ機会も減り、小さい子の扱いが分からない児童が増えた」と分析。日頃の付き合いが少ないので、トラブルを避けるのが難しい。高学年がきつく当たる、低学年が言うことを聞かない、時間通りに出発できない、などの声が増えているという。

 一方で岡崎さんは、「1人で育ってきたような子どもたちにとって、他学年との付き合い方を学ぶチャンスでもある」とも。例えば「あの先生はこういう感じ」といった情報を、学年を超えて交換する機会にもなりうるという。

保護者が付き添えば子どもは安心

 ただ、班での登校時は一列になって歩くことが多く、実は会話や交流が生まれにくい。東京都の公立小で校長などを務めた全国小学校学校行事研究会元会長の清水弘美さん(61)は「最初のうちは仲のいい友達を1人2人つくるために、親がフォローを」と勧める。

 例えば集合場所に早めに行き、運動会や遠足など共通の学校行事について、子どもと少しでも話すといい。入学時なら保護者も付き添っていることも多く、交流が生まれやすい。「親が他の子どもや保護者と仲がいいと感じると、子ども同士も安心できる相手だと感じる」と清水さん。

 トラブルが起こった場合は、すぐに学校に相談したい。岡崎さんは「学校には分団の担当の先生やその地域に詳しい先生がいる。問題がある時には教員が指導をして現場を実際に見に行くこともあるので、学校に伝えた上で保護者も一緒に解決策を考えてほしい」と呼びかける。

編集チームから】質問は2022年12月24日に公開していたものです。2023年3月10日に回答を掲載しました。

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コメント

  • 朝は眠いし、子どもでも朝から元気いっぱい!とは大人の勝手な理想だと思います。学校へつく頃に身体も頭も目覚めてくるかもしれませんね。 そんな訳でお子さん本人の訴えではなく、大人が「冷たいと思ってい
    O3 女性 40代 
  • その娘さんと同じ立場でした。 僕は海外から日本への引っ越しだったので、初めのうちは言葉も通じず話せませんでした。 登校班は人数が少ないので、お友達も出来るかな...。と密かな期待をしていたので
    AKIRA その他 10代