相手の親からLINEで謝罪要求が…。園や学校での子ども同士のトラブル、親はどう関わればいい?〈子育て相談 すくすくねっと〉

吉田瑠里

すくすくねっと

 6歳の娘が保育園でけんかをし、頭をたたいたところ、相手の保護者からLINEで謝罪を求められた―。「親はどう関わればいいか」という愛知県の女性(39)の相談に、読者から多くのアドバイスが寄せられた。相手の親とコミュニケーションをしっかり取ること、わが子が手を出した理由を知ることが大事という声が多くを占めた。

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6歳の娘が園で友達の頭をたたいた

 6歳の娘が保育園でけんかをし、頭をたたきました。けがはなく、娘が謝ったと保育士から聞き、納得しました。ただ、後日、相手の子の親からLINEで謝罪を求められました。子ども同士でもめた場合、親が関わるべき問題の程度やタイミングなどが悩みです。(愛知県、39歳)

謝罪から事実関係がわかることも

 小学校低学年だった息子が投げた消しゴムが、同級生の目の近くに当たった時のことを振り返ったのは、愛知県北名古屋市の女性(57)。先方に電話した上で足を運ぶと、その子が「自分が『こっちに投げて』と言ったんだよ」と状況を話してくれた。「親が謝罪に出向いて事実関係を知ることは有益」と言い、「わが子との信頼関係を深めるチャンスでもある」と強調する。

直接話して原因を確かめれば納得

 岐阜県八百津町の女性(59)は「たたいてしまった原因が必ずある。相手と直接話して何があったかを確かめ、互いに納得してはどうか」と勧める。自身は息子が小学校低学年のころ、突然、相手の父親が「娘がたたかれた。謝れ」と自宅にやってきたことがあった。

 あらためて先方を訪問し「痛かったね。ごめんね」と謝った上で、2人に当時のことを聞くと、息子が遊んでいた棒を、その子が取り上げたのが発端と分かった。たたいたのではなく、体を押したということも。「カッとなって押してごめんなさい」「棒を取り上げてごめんね」と謝罪し合った。

その日に謝罪しつつ、背景を探る

 小学2年の息子、幼稚園年長の娘を育てる岐阜県可児市の女性(35)は、もしわが子が手を出したと知ったら「背景を聞いた上で『嫌なことがあったのね。けれどたたいたりしてはだめ』と話している」と書いた。何かあれば、その日のうちに謝るよう心掛けているとも。「たとえ口げんかでも『嫌な気持ちにさせて申し訳ない』と伝えることで、軽く考えていないと相手に示せる」と指摘。もめごとの原因を聞けば「わが子がどんなことを嫌だと感じるのかも分かる」と言う。

幼稚園側が「方針」示すケースも

 「園の指導方針を保護者に周知してもらっては」と書いたのは、石川県白山市の女性(45)だ。息子が通っていた幼稚園では、先生の監督の下で解決したもめごとは、保護者に伝えはするが個人間での謝罪は必要ないとあらかじめ言われ、安心できたという。

先生が同席の上で謝罪するといい

 保育士の立場からの声もあった。愛知県一宮市の女性(54)は「先生に同席してもらい、状況を聞いて謝罪するのがいい」と寄せた。「相手に責められるなど嫌な思いをする場合もあるかもしれないが、自分のために謝ってくれる親の姿は子どもにとっては愛情表現でもある」。たたくなどされた側もつらいとして「逆の立場なら、謝罪されると少しほっとしませんか」と問いかけた。

現役教師はどう見る? 原因を聞くことが大切

 文部科学省の調査によると2020年度、人に暴力を振るったり物を壊したりといった小学生の暴力行為は4万1056件。10年前の6倍近い。そのうち74.4%は子ども間の暴力だ。

グラフ 小学生の暴力行為の件数

 今も現役として名古屋市の小学校で教え、東京新聞・中日新聞生活面で連載「子どもってワケわからん!」を執筆する岡崎勝さん(69=写真)は「まずは本当にたたくなどしたかを確かめ、事実なら早く謝罪した方がいい」とアドバイスする。学校現場では、帰宅後に具合が悪くなる可能性もあるため、首から上の部位への暴力は双方の親に連絡するのが一般的という。

写真 岡崎勝さん

 LINEなどによる文字のやりとりだけでなく、電話や対面での方が相手の怒りや悲しみを強く感じられる。そうした気持ちを理解した上で発する「申し訳ない」という言葉には誠意がこもりやすく、謝罪を受ける側も「仕方がないか」と納得できる。

 親が謝ると収まるケースがほとんどというが、コロナ下で交流が減っていることもあり、相手の対応が心配な人もいるだろう。もし不安なら、相手の親と面識がある学校や園の先生に前もって相談するといい。

 大切なのは謝った後だ。「手を出した原因をよく聞いてほしい」と岡崎さんは訴える。大した理由がない、または相手を選ばずに暴力を振るっていた場合は、ストレスや不満がたまっているサイン。日常的によく話を聞くよう心掛けたい。

図解 わが子が友達に手を出したと聞いたら

 今後につなげるには「気持ちは分かるよ」と受け入れた上で、かっとしたらその場を離れるなどの対策を伝えるといい。「暴力は社会的に許されない」と諭すのも大事だが、「誰でも乱暴な子と一緒に遊ぶのはつらいよね」と、繰り返せば友達を失ってしまう可能性があることも説明しよう。

 普段からわが子や周囲の子の痛みに対し、敏感でいることも必要。けがをしたり、病気になったりした時に、少しオーバー気味でもいいので、いたわる様子を見せることが有効という。「どの子も大事にされていることが分かる場面を見る機会が増えれば、暴力は減らせる」と期待する。

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毎日の兄弟げんかがストレス どうしたら?

 小学3年と1年の兄弟がささいなことで毎日けんかします。次男が泣き、親が2人を叱って…の繰り返し。「けんかも学びにつながる」などと書いてある本も読みましたが、親にとってはものすごいストレスです。大声で叱りつけるしかけんかの終わらせ方が分からず、困っています。(愛知県、42歳)

元記事:中日新聞 CHUNICHI Web 2022年6月17日

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