日々の学びと、初めてのチョコ〈お父ちゃんやってます!加瀬健太郎〉
「岸田首相が産休・育休中のリスキリング(学び直し)を推奨するって言ってニュースになってたけど、どう思うの?」と妻に聞くと、「夏休みか何かと思ってんのとちがう?」と深くため息をついた。
岸田さんも子育て関係のことは、奥さんに聞いてもらってから発表した方がいいかと思う。
学びといえば、子どもと風呂に入ったときのこと。
僕が服を脱いでいると、なにやら視線を感じた。見ると、四男が2歳児とは思えない険しい面持ちで、僕の股間を凝視していたかと思うと、「キモっ」と言った。
「えっ、いつそんな言葉覚えたの?」と驚く僕をよそに、今度は下の毛を指さし、「カエルくんのたまご?」と聞いてきた。
この前、公園の池でカエルのたまごを見たらしい。日々、学んでいる。
話は変わって、バレンタインデー。
とうとうわが家に、初めてチョコがやってきた。次男の好きな〇〇ちゃんがくれたらしい。
「うれしい?」と聞くと、「だって、みんなももらってんだよ」と照れくさそうにする。義理だろうがかまわない。〇〇ちゃん、平静を装う次男を僕と妻に見せてくれてありがとう。
チョコをもらわなかった長男。気にしないでいい。
小学生でチョコをいっぱいもらう子は、「大人になったらパッとしない」という統計をお父さんは独自にとっている。そのうち君も誰かからチョコをもらう、と思う。その時は、心から「ありがとう」と言えるだろう。
お父さんは、まだ見ぬその子に今から感謝でいっぱいだ。
加瀬健太郎(かせ・けんたろう)
写真家。1974年、大阪生まれ。東京の写真スタジオで勤務の後、ロンドンの専門学校で写真を学ぶ。現在は東京を拠点にフリーランスで活動。最新刊は「お父さん、まだだいじょうぶ?日記」(リトルモア)。このほか著書に「スンギ少年のダイエット日記」「お父さん、だいじょうぶ?日記」(同)「ぐうたらとけちとぷー」(偕成社)など。12歳、10歳、5歳、2歳の4兄弟の父。これまでの仕事や作品は公式サイトで紹介している。
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