息子の最高の笑顔が見たくて 前日に決めたふたり旅 〈清水健さんの子育て日記〉41

(2022年5月13日付 東京新聞朝刊)

帰りの新幹線はさすがに夢の中

大阪から福岡 ホークス野球観戦ツアー

 「明日、行こうか!」。野球中継を見ながら、行きたそうな表情をしている息子に聞いてみた。「えっ」。ほんとに行けるの? 行っていいの? 遠慮している息子に「よし行こう!」。

 大阪から福岡、親子ふたりでのソフトバンクホークス野球観戦ツアーを前日に決定。まずは、球場のチケット、そして、飛行機。帰りは満席だったので、新幹線を予約。大丈夫、なんとかなる。

 朝6時出発。息子は5時には目を覚まし、大好きな柳田悠岐選手のユニホームを着て準備は万端。空港まではバス。伊丹空港に行くはずが、買った切符は関西空港行き。バスが来る。「パパ、このバスで大丈夫?」。なんとなく聞いたであろう息子の言葉にハッとする。ふたりで急いで、伊丹空港行きのバス停まで走る。間に合った。なんとかなる(笑)。

伝わるドキドキが、たまらなくうれしい

 バス、飛行機の中、空港から福岡ドームまでの地下鉄。ふたり旅に息子のドキドキが伝わってくるも、この時間が親としてたまらなくうれしい。せっかく福岡県まで来た。少しは福岡を味わってもいいのだが、開場時間と同時に球場入り。いつもとは違うソフトバンクの応援の多さに気分がさらに盛り上がっている。

 実は、昨年、息子の観戦成績は11戦9敗と負けが多く、応援しにいくと勝てない? でも、今シーズン、初観戦した京セラドームでは勝利。少し自信を取り戻していた息子だったけど、この日は連勝がかかった試合。「もし負けてしまったら」、その思いも「行きたい!」の遠慮につながっていたのだろう。

 途中、ほとんど席を立たず、自分が好きな球団の自球場での応援にあわせ、ずっとメガホンをたたき続ける息子。勝った! しかも9-3というファンとしてうれしい試合展開。試合が終わってもなかなか席を立とうとしない。この喜ぶ姿が見たかった。

妻がいたら 笑って準備してくれたかな

 最近、休みがなかなか取れず、久しぶりの一日休み。こうやって、息子の最高の笑顔を見られた。来てよかった。とことん息子の好きを応援したい。帰宅時間は、だいぶ遅くなってしまった。でも、こんな日があってもいい。

 ばあちゃんが「ほんとに行くの?」とうれしそうに何度も聞いていたけど、妻がいたら、同じように笑って準備してくれたんだろうな。

 母の日。ママに、いつものガーベラと、「元気だよ!」の息子の手紙。こっちは元気でやっています。元気ですか。 (フリーアナウンサー)

コメント

  • 久しぶりにシミケンさんのメッセージを見ました! 息子さんがまだ2.3才の頃の投稿はよく見ていたしたが 相変わらず全力で応援している姿を見ると私まで嬉しく思います。 奥さんも喜んでいるでしょうね!
     女性 60代 
  • 清水さん、初めまして。 息子さんの好きを応援したいっていう気持ち、とても分かります。 前日に来て弾丸で決行する男気も尊敬します。 いま僕は尿膜管癌という希少がんに冒されています。既に肺へ複数転移
    タケ 女性 30代